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 犬用シャンプーが宙を舞う。

 

 再び。

 

 

 拘束咆哮(バインド・ボイス)を無理矢理捩じ伏せて今度は身構えるのではなく、後方へと跳んだ。

 

 努力のかいも無く、僕の身体はトラックにジャストミート。

 

 またもや眼下の呆けたオッサンの間抜け顔を眺めるとアスファルトに強く打ち付けられる。痛い。

 そのナマモノが固い何かに打ち付けられる様な音を最後に意識を失う。

 

 ――――

 ――

 

 白い世界。

 

 音も匂いもない世界に再び戻ってきた。

 

「白い部屋よ私は帰って来た!!」

 

 再び現れる光る玉。

 

「ご愁傷さま。君は理不尽な事故で無くなりました」

 二度目でなくとも良くわかるこの事実。ええその通りですとも。

 

 ついさっき聞いた台詞は全て聞き流す。そしてスキルを選択する。

 

 完全火耐性。

 

「フハハハハこれさえあれば勝つる」

 異世界出オチの危機からも脱出だ。


 楽して強くなろうなんざ甘かった。

 先ずは着実に足跡を刻まなければ。


 

 ――――

 ――

 

 

 宙を舞う犬用シャンプーの悪夢。

 

 

 そう、またしても出オチでした。

 

 燃えるのも熱いのも我慢できたけど、何やら倒壊した建物に押し潰されたようです。

 

 もうね、グチャッという音が耳にこびりついて離れないの。

 

 それにね、ループものって異世界行ってからだと思ってました。僕。

 

 異世界への片道切符テンプレートセットが天丼とか2回目でお腹いっぱいなのです。

 

 気付くと縁石に足を引っ掛けバランス崩した後という理不尽なポーズから再スタートとかねホント理不尽。

 

 こうなったらどんなことしてでも異世界に足跡を遺してやろうと心に誓う。


  

 ――――

 ――


  

 沢山並ぶスキルからこれはというものを吟味する。

 

『【無詠唱】陣、詠唱の必要が無くなり、念じるだけで魔法が発動する。ただし、消費魔力2倍』

 つまり、魔法を使うには魔力と儀式が必要という事ですね。

 

『【完全防壁】発動後両足が動かない限り正面からの攻撃を物理、魔法を問わず完全にシャットアウトする。ただし、動いたら負け』

 人偏つけたら名言ですね。


『【魅力限界突破】異性の注目と好感度を引き付けて止まない。歩くフェロモン。世界の半分は貴方のもの。※(ry』

 火と落下物に性別があって異性ならば死にスキル以外何者でもないですね。その前に試す勇気が出ない。

 

 最後の(一番)どうでも(欲しい)良いの(もの)は置いておいて……。

 

 はい。魔法チートの線は消えました。

 

 出オチ続けてるところで魔法の準備する時間がないのです。

 

 ここは【完全防壁】を選択してみることにする。

 

 

何だかどうでも良くなってくる自分がいます。

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