表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編小説集

 黒と紅

作者: アキ

 

 僕が間に入らないと

 父方の祖母は

 両親に対して

 おろおろしてしまう


 たしかに

 癖のある人だけれど

 それが

 癪にさわるらしい


 でも

 最近

 母が

 父方の祖母に気を遣うようになってきた


 以前は

 叫んで従わせようとしていたのが

 我慢して

 ゆっくりと話すようになってきた


 負担が軽くなった


 僕ととある女性が

 話し合って離婚したから

 今

 祖母との間に入れてる


 僕がその女性から

 いろんなことを学ばせてもらったから

 今

 親と向き合えている


 父も

 だんだんと

 やわらかくなってきた

 いまだに祖母を「お前」と呼ぶけれど


 それでも

 今年の正月は

 一緒に過ごすことができた

 友人の家に酒を飲みに行くといって逃げたけど


 僕は

 実家に帰って

 15kg太った

 デブりんになってしまった


 そして

 今日もまた

 ダンササイズのDVDと格闘するのだ

 ワン、トゥ、スリー、フォー


 遣い方を間違えてはいけない

 気を遣うということは

 身体ではなく

 心を遣うのだ


 いつか会えるのだろうか

 僕は

 会ってもいいのだろうか

 たぶんダメだ


 けど

 けれど

 けれども

 抱きしめたい


 だから

 あの日の

 悪口は

 許せない


 だから

 あの日の

 泣き顔は

 何度も夢に出てくる


 僕は

 今

 残念ながら

 ここにいる






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ