召喚されし者①
遅くなって済みません
三話を投稿したのは良いんですが、間違えて削除してしまい、三話の内容が今一気に入らなかったのをこれ幸いと書き直しました。
晴れた霧の中、其処に佇んでいた者を見て誰もが一様に言葉を失う。
其処に佇んでいたのはソルトとサイガの二人であった。
召喚された者が召喚した物と全く同じ姿をしている…………………
いやそれ以前に、人の姿をしている事に驚きを隠せずにいた。
召喚の儀は本来、自分の半身たる存在になる神獣を呼び出すための儀式である。
呼び出される神獣は本来ならば、全て獣の姿をしている。
力の強い神獣ならば人型になる事も出来るが、そんな事が出来る神獣は極僅かであり、抑々召喚されたばかりの神獣は、本来の姿で現れるか、本来の姿とよく似た獣の姿をとる。
だが今回召喚された神獣は、人型をしている。
それはつまり、召喚された神獣がそれだけ巨大な力を持っていると言う事になる。
更にその神獣は、召喚した者つまりはソルトと全く同じ姿をしていた。
「ソルト何故お前が此処に居る!?」
サイガは本来なら神獣が召喚されるはずであるのに、自分のもう一人の兄弟とも言うべき存在であり、本来ならば、自分と入れ替わって学園祭で劇を演じているはずのソルトがいるのに驚きを隠せなかった。
「私が知るか!!
劇が終わって、休憩に入った途端に光だが闇だがに包まれたと思ったらこの森にいたんだからな。」
ソルトの方も、状況が分からずに自分に起こった出来事を口にする。
「何をしておる。
神獣が召喚されたのならば、速く契約を結ばぬか!!」
そう声をかけたのは、いち早く衝撃から抜け出せた最長老で会った。
最長老の声によって、周りは何とか静まり落ち着きを取り戻す。
ソルトとサイガも落ち着きを取り戻す。
ソルトはとに角、今の現状知ることが先決であると、判断しサイガもソルトと同じ判断をしソルトに今の状況を何時もの様に送る。
「………………………」
二人は顔を見合わせ深いため息をつく。
「いい加げ…」
「「召喚の儀は失敗しましたよ。
貴方達が信じる信じないは別としてね。」」
痺れを切らした、最長老が二人を促そうとするが、その声を遮って二人同時に口を開く。