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モノづくり No.1

 その最高村に着いた時、一番に思った。

 (エンテルミッタ様って何者!?)

 こんな最高村に住んでいてこんな白亜の豪邸に住んでいて、でも平民だというエンテルミッタ様が信じられない。

 「どうやら私の存在について不満を持っているようだね。」

 テレパスですかあなたは!2回目だし!

 「まだ知る時ではない。」

 まだ教えてくれないなんて悲しすぎる。

 銀髪をなびかせて、エンテルミッタ様がその屋敷に入っていった。

 ついて来いと、目で促されたので、小走りでついてきた。

 屋敷の中に入って驚いた。

 (こんなふんだんに羊毛と宝石と銅を使えるなんて、エンテルミッタ様平民!?何者!?)

 レッドカーペットが100メートル程度あり、ふちに宝石がちりばめられており、銅の大きなシャンデリアが釣り下がっている。

 エンテルミッタ様は止まらない。

 2階の突き当りに来た時、やっと止まった。

 「ここがあなたの部屋だ。」

 ドアが見える。開けてみると、10畳くらいの部屋に、天蓋付きのベッドやタンス、机、いす、クローゼットが置いてあった。

 全体的にキャラメル色で統一されており、落ち着いた雰囲気を漂わせる中、甘い、ガーリーなイメージもある。

 「クローゼットやタンスに入っているものは好きに使え。ここなら何をしても、いや、犯罪以外は何をしてもいい。」

 エンテルミッタ様が間違えたときの顔が滅茶苦茶かわいかった!

 そういう目で見てると睨まれた。あぁぁ。

 「わかりました!ご主人様!」

 「ご主人?私はエンテルミッタでいいぞ?」

 「わかりました!エンテルミッタ様!」

 はぁとため息の音が聞こえたが気にしないことにする。

 エンテルミッタ様が去って行った後、まず自分の服を着替えた。

 クローゼットにはどんな系統の服もそろっていた。

 私は丸襟ブラウスに吊りスカートにした。スカートはふんわりとある程度広がっている。

 きれいな服装にとってもうれしかった。

 そして、奴隷時代にやっていたモノづくりを無性にやりたくなってきた。

 ある程度のはそろっていた。タンスに油とか鍋とか。なぜここに鍋があるのかめっちゃ謎。

 油を塩析して、薬草でにおいを付け、髪洗い用洗剤を作ろうと思う。

 まず細長い容器に水と油を入れる。そしてそこに一つまみの塩を入れる。よく振っておいておけば、終了。

 その間、部屋にあった本を読んで過ごしていた。



 しばらくたったら油と汚れと水の層になってきた。

 油だけすくい、容器に入れる。そこに薬草のにおいをかぎながら、入れてにおいを移らせていく。

 ちょうどその時、運悪くエンテルミッタ様が呼びに来た。

 「もう夕飯だ。……どうした?何をしている!?」

 落ち着いた声が悲鳴のような声に変わった。

 「えっと、髪洗い用洗剤を……」

 そう言ったらエンテルミッタ様が怪訝そうな顔でこっちを見つめてきた。

 「お前はいったいどこでそんなのを覚えた。」

 「そんなのと言っては困ります!髪の毛がつやつやになる液ですよ!」

 ちょっと膨れて見せた。

 「まぁ、いいだろう。しかし、私にも貸せ。」

 エンテルミッタ様って意外と強欲なんだ。はじめて知ったよ。

 「その前に夕飯だ。」

 飯優先ですか。

 ため息をついたら少し首を傾げられた。

 「奴隷市で私が買ったのが8時間前だ。お前は時間の感覚が狂っているのか?」

 は、そうでしたね。



 結局、髪洗い用洗剤はエンテルミッタ様にも貸すということで無事作ることを許された。

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