マッチョル〜筋肉の世界で魔法で頑張る〜
僕はマッチョル。
エクレアが大好きな少年だ。
今日は筋肉学校のNO1。『筋力者』を決める大事な試験だ。
実は僕は筋肉が全てのこの世界で箸より重いものを持ったことがない。
マッチョの証である『筋肉線』もお腹に油性ペンで描いただけ。
『六本線』『八本線』『十六本線』。
もちろん一番筋肉があるとされているのは十六本線。
ここまでの試験を勝ち抜いてきた連中はみんな八本か十六ばかり……。
「おい!こいつ六本線だぜ?」
「六本線のヒョロガリはお家に帰んなぁ!」
負けるもんか。
筋力者になっておばあちゃんと平和に暮らすんだ。
「なんだと!?バーベル300キロ!?」
「走り幅跳び400メートル!?」
「100メートル1秒ぉぉ!?」
僕には筋肉は無いけど魔法がある。
浮遊魔法と加速魔砲があれば楽勝さ!
「すごいよマッチョル君!」
「マッチョル君素敵!」
クラスメイト達も応援してくれている。
いよいよ最終試験だ!
ゾワッ!
「……!?」
熱い筋肉熱波を感じた。
彼は……三十二本線のアール君!?やはり彼もここまで残ったか。
「……マッチョル」
「……」
「筋力者になるのは俺だ。俺が筋力者になったらお前のような『無筋肉者』は国柄追放してやる。お前の婆さんも一緒にな」
やっぱりアール君には全てバレている。
アール君はここまでバーベルを2トン小指で持ち上げ。走り幅跳びを42.195キロ飛んでいる。
アール君と僕は似ている。
彼もまた筋力者になって家族と平和に暮らしたいのだ。
アール君の故郷は争いごとが絶えず治安が悪い。
獄中出産で生まれた彼と弟は銀貨1枚で別々の王族に売られ奴隷として生きた。
虐げられる日々をおくる彼だったがある日、腹筋に三十二本線が浮き出て覚醒した。
彼がこの学校に来たのは生き別れになった弟のマツナガを探すため。
筋肉も想いも強い。
アール君にはどんな魔法を使っても本物の筋肉には勝てないのか?
負けるもんか!筋力者になるのは僕だ!
『これより最終試験を始めます!マッチョル君!アール君!コロッセウムに来てください!』
最後の試験はなんだろう?
結論から言うと僕は勝った。
最後の試験は筆記テストだった。
僕は5科目で平均80点。
アール君は自分の名前のスペルを間違えて全科目0点。
義務教育の勝利だ。
筋力者になった僕は真っ先にアール君の故郷を魔法でブリンバンボンブリンバンボンした。
さぁ次に行こう。
ドゥザ・イチバン・way