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──と思いきや、転瞬、立体映像が、仄かに浮かび上がった。
<Third I−Mode>をご利用いただくには規則に同意していただく必要があります。
規則をご確認の上、内容に同意頂ける場合は、チェックをお願いします。
【規則】
□同意
□同意しない
【利用開始】
暗闇に放り出されたと思って一瞬、焦ったわ。ってか、成功したようだな!なになに?規則ね。面倒くさっ。一刻も早く開始したいんだけど。
でも仕方ない。この状況で規則を無視する程、馬鹿ではない──はずだ。それに情報も欲しいしな。
ではさっそく【規則】の文字に視線を向けて……よしっ矢印が移動した。ここで瞬き一回っと。
おっなんか文章が浮かび上がって来た。どんな規則なんだろ?なになに?これは──
規則
異民管理法及び強制隔離送還執行法に基づき、及び同法を実施するため、この規則は法務省出入国異民管理庁執行部(以下運営)について必要な事項を定め、円滑な運営を図ることを目的とする。
第一条
異民管理法及び強制隔離送還執行法に基づき、異能犯罪者は、地下遺跡監獄迷宮(以下、ダンジョン)に強制隔離送還され、労役に従事しなければならない。異能犯(以下、呪刑囚)の隔離転送先の界層と潜索地点は、罪状と特異能力の略称である異能(結能品、魂動力、神通力、拡超能力)の等級に応じ、決定される。
第二条
精神を拘束する心禁拘束が、掛かった首輪、位置追跡用の足輪そして拘束具と連動する埋め込み型の立体虚像を空間投影する幽子情報生体端末<Third I−Mode>が、支給される。それ以外の持ち物の持ち込み及び首輪や足輪の解除を堅く禁じる。試みた場合、十五秒間の警告後、刑罰が課せられる。
Third I−Modeは、首輪に刻印された囚人番号で施錠が解除出来る。開くと無意識下に構築されたブレインネットワーク<霊脳空間>との情報統合により、虚像いわゆる幽子情報を重ね合わせる霊脳皮質の機能が起動し、TIメニューが立体虚像空間投影として、投影される。
基本操作は視線を動かすと矢印が動く視線追跡で行い、瞬き一回で決定される。『三角形の中の目』のロゴを長く凝視することで、TIアプリメニューが起動し、各種アプリの選択が可能となる。
第三条
呪刑囚は迷宮からの脱走を試みてはならない。迷宮からの脱走を試みた場合、心禁拘束により、死刑が執行される。
第四条
迷宮内は、様々な獲得達成条件の達成に応じ、運営が獲得値を発行し、獲得値で全てを賄わなければならない。獲得値の獲得達成条件には共通の獲得達成条件とそれぞれ異なる特殊な獲得達成条件の二種類がある。特殊な獲得達成条件は、共通の獲得達成条件を達成する過程で随時解放される。
獲得値を全損した場合や獲得を怠ると、足切り制度により、七十二時間(三日)後に一人、更に三十六時間後に二人、続く十八時間後に四人、更に更に九時間後に八人、その四時間半後に十六人、続く二時間十五分後に三十二人、そして一時間七分三十秒後に六十四人という風に、獲得値が低い順から死刑が執行される。
また逆漏斗状の七つの界層ごとに獲得達成条件に倍率が設定されている。例えば界層主の討伐において、深く広い界層程、獲得値に倍率が加算され、高いが、難易度も高い。
第五条
初期特典として、配給される千の獲得値を含め、獲得値は、武器や呪身具などの装備品は勿論、生存競争に必須の食料、水、薬など潜索支援物資と交換可能である。♡(支援技能)、♤(武功技能)、♧(魔攻技能)、◇(防御技能)の戦闘技能用の札装、それ以外のその他の技能いわゆるEX技能用の札装など技能も例外ではない。
現金もまたしかり。獲得値と現金の換金が可能な現金交換が、採用されている。足切り制で脱落した直後、獲得値を現金に交換するか選択出来る。交換比率は一円から始まり、足切りを経る度に、十円(七十二時間後)、百円(百八時間後)、千円(百二十六時間後)、一万円(百三十五時間後)、十万円(百三十九時間三十分後)、百万円(百四十一時間七分三十秒後)と高額になるが、交換の機会は一回のみ。交換後は呪身具の一つとして扱われる。
第六条
特殊な獲得達成条件を達成したり、足切りの際、獲得値が高い序列者には、高い順から特典値並びに様々な特典が与えられる。特典や特典値を獲得出来る人数は、足切りされた人数に比例する。
特典の一つとして、足切り制からの免除権がある。これは特殊な獲得達成条件即ち七枚の秘蹟と呼ばれる札型の結能品を集めた者に与えられる。
死亡による繰り上げがあるため、参加人数次第だが、約六日間で、全員が足切り対象となり、順位に関わらず、免除権を有する者のみ、生き残ることとなる。強制労役終了後、釈放や減刑の恩赦が、特典として与えられる。
第七条
地下遺跡迷宮は、瘴氣汚染幽害物質が充満する危険地帯である。地下遺跡迷宮で棲息する生物いわゆる魔物は、通常火器では、歯が立たない。
故に法律で禁止されている異能の使用は勿論、あらゆる犯罪行為が、ここでは罪に問われない。獲得達成条件に基づき、協力して徒党を組むもよし、殺して他者から獲得値や技能を奪うのもよし。但し、上記の規則に違反してはならない。
*その他の細則についてはTIコンシェルジュに聞くこと。




