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水回川頭鳥咥私

作者: 空想文庫

カラカラカラと水車が回って川底で頭を打った。

これで仕事が捗るかもしれないとオフィスでキーボードを打つ。

お客さんが全員戻って来た。

半裸である。

悲しそうだ。

見たことない悲しさだ。

でも川底はとても涼しい。

私に服は必要だ。

ダウンジャケットを重ね着する。

このオフィスはクーラーを効かせ過ぎている。

まるで冬のようだ。

この国は冬を殺したのにそれはおかしい。

お客さんは全員風邪を引いたまま帰っていった。

お客さんではなかったかもしれないと思い至ったがそれは考えないことにした。

ダウンジャケットをもう一枚重ね着する。

まだ残りはある。

すべての文字を打ち尽くしたのでキーボードがすり減って私の仕事が終わる。

やっとオフィスから出られる。

もう来ることはないのかと思うと切なさも溢れてくる。

右手に水車を持っていた。

最初から持っていた。

とても小さい。

見えるだろうか?

私の見てほしいものはいつもこんなに小さい。

オフィスから川底はとても近い。

繁華街の川底をじゃぶじゃぶと歩く。

東京もとても小さくなっていると感じる。

交差点が流されてきた。

交差点の真ん中で通行人と交差する。

突然、空を見ないでと通行人が叫ぶ。

だから私は空を見る。

鳥がローソクを咥えている。

ダイナマイトかもしれない。

多分、私のせいなんだろう。



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