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お題→短剣、ヤコブの梯子、り○っくま
お題→短剣、ヤコブの梯子、り○っくま
り○っくまのヌイグルミ?
そんなもの、怖いわけがないだろう。
昨日まで、ヤコブはそう思っていた。
真夜中、一人きりの自宅。廊下からはズリズリと、何かが動き回る音が聞こえてくる。
彼は気味が悪くなって、ひとまず逃げるための最低限の荷物をまとめはじめた。連絡をとるための携帯、お金やカードの入った財布、お気に入りのハシゴ、機敏に走るための運動靴。
荷物をまとめ終わった頃。
ガチャリ。
部屋の扉が開いた。
そこにいたのは見慣れたヌイグルミ。
「オマエノハシゴ……ハシゴヲヨコセ……ハシ……ハーシーゴォォォォォ」
血のついた短剣。
だらんと開いた口元。
そのヌイグルミは狂気の塊だった。
「うあああああぁぁぁぁぁ!」
殺される。
ヤコブはハシゴを抱えて窓から飛び降りた。