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お題→老人、吹奏楽、異世界
お題→老人、吹奏楽、異世界
吹奏楽部のタカシ。
彼がクラリネットを手にしながら召喚されたのは、老人だらけの異世界だった。
右も左も老人、老人、老人。
若者がいなくてどうやってこの世界が成り立っているのか、タカシの理解はまったく追いつかない状態であった。
とにかくお金を稼がなきゃ。
タカシは唯一の特技を生かし、演奏をすることで生活費を稼ぐことを決意した。
「最近の曲はどれも同じに聞こえるなぁ、花江さん」
「あたしゃあんたの女房じゃないよ」
「ひれはろこら(入れ歯どこだ)」
果たして彼の音楽は老人たちに受け入れられるのか。
彼の苦難は始まったばかりだ。