お題→DVD、酸素、戦争
お題→DVD、酸素、戦争
私はDVD。
正確にはDVD-RWといって、何度も書き換え可能な種類のディスクよ。
私の持ち主は、几帳面な女の子。
彼女はいろいろな映画を私に書き込んでくれるわ。恋愛モノが好きみたい。私たち、とても趣味が合うわ。
一度書いたらおしまいのDVD-Rとは違って、私はいろいろな物語を知ることができる。それらをゆっくり楽しみながら、とても幸せに暮らしていたの。
あの時までは。
「姉貴、DVDかブルーレイの余ってるやつない?」
「ちょっと古いけど、DVD-RWなら。どーしたの」
「母ちゃんに録画消されねーうちにダビングしときたいんだよ。この前の木曜洋画劇場の──」
「ムキムキのやつ?」
「そう、戦争するやつ」
私の中には、よくわからない戦争映画が記録されたわ。そして、そのまま持ち主が変わってしまった。
新しい持ち主は戦争モノが好きみたい。特にマッチョな外人が活躍する映画をよく見ては、それに憧れて筋トレをするような男の子だった。
嫌で嫌で仕方がなかったわ。
でも、今思えばそれもまだマシな方だった。
「あー、酸素の作り方……? とりあえずDVDに焼いとくか」
私の中には化学の実験動画が記録されたの。自分の中を覗いても、延々と酸素を作る作業をしているだけ。
早く他の動画を。せめてストーリー性のあるものを。そう思っていたのだけれど、私はそのまま棚にしまわれてしまったわ。





