No.7 テスト中くしゃみ厳禁
趣味です。短いです。
相変わらずの鼻がむずむずする中、強化の小テストが開始されました。あれ? 教科の小テストですね。
ウサ男君がうるさかったようですが、それとは別の理由で勉強に集中できなかった私はこのテストでどれだけ取れるか見物です。
シャープペンシルが紙に字を並べていく音が、静かな教室に響いています。私もそろそろ・・・。
シャープペンシルを手に取ったその瞬間でした。
「・・・へっくぼん!」
いつもどおりのくしゃみをマスク内で済ませようと考えて、そのままくしゃみを勃発させたのですが。
「・・・あれ?」
アホみたいな顔をして、私は自分のテストをよく見ました。テストはマスクの物理的な激突という行動をまともに受け、形状変化を起こし、なおかつ・・・あれ? 意外と丈夫?
「・・・ズビー」
アホみたいに鼻水を垂らして、くしゃくしゃのまるで一度ゴミ箱へ作家が投げ捨てるような紙になったテストを開けて、テストに集中しました。
その後も、くしゃみを連発してましたが。
「テストどうだっだ?」
山下が聞いてきた。相変わらずの鼻声。
「まぁまぁ、だったな。中乃川は?」
「上の下二段活用」
「国語じゃないぞ。で、山下はどうよ?」
「いや、えーど、くしゃくしゃじゃなかったよね?」
「は? 何言ってんだ?」
そういえば、先生が集めてたテスト用紙の中にごわごわのテスト用紙があったような・・・。
「どうやっでがえっでくるんだろう」
独り言のようにそう言って山下はくしゃみを止めなかった。