No.13 転校生ならば転校生らしく全クラスメイトに囲まれよ
神キャラです。ミスです。新キャラです。趣味で書いてるので、めちゃくちゃキャラ増えます。
台風だか何だか知らないけれど、今年は来るのか知らない六月の梅雨時の中乃川です。
いつも通り、砲撃の音が聞こえる通学路を通り(山下と登校時間が被るため)、学校へ着いた僕の目に写ったのは信じられない光景でした。映った? 遷った? 欝った? まぁとにかく。
今でも信じられません。信じたいとも思いません。校門を潜り抜けて、横に視線を移したそこに、崩壊した体育館の前に、巨大なバスが到着していたのですから。バスですよね。バスじゃないのですか?
巨大な車が止まっているのに気づいているはずの学生達はスルーして、校舎の中へと蟻の行列のように入っていきます。ぞろぞろという擬音が聞こえてきそうです。
巨大な車に目を奪われていた僕は、さらに信じられないことに気づいてしまいました。
車にネコ耳が生えています。何ででしょうか。
そして、車のドアが開きます。自動式です。高級そうなのでそう思いました。いつの間にか、僕の周りの学生達が消えていました。校舎の中に入って窓から見えているのでしょう。窓から声がします。
車のドアから出てきたその女子生徒は・・・スカートが目に入ったので女子生徒だと分かります。こちらに顔を向けないまま、校舎内に入っていきました。僕の目の前を通ってです。
ちなみに、校門を通ってまっすぐ行けば校舎、左に曲がれば体育館跡という校内なので、体育館後前に停めていれば嫌でも僕の目の前を通ることになります。校門に立っている僕なのですから。
というわけで、チャイムと同時に足を動かして彼女を追い越して教室に入った僕でした。
追い越しました、彼女を。
「今日から、このクラスの一員に「にゃった」、えー・・・」
カリカリと言う黒板を白い棒状のもので引っかく音がする。
そこに書かれたのは「蛇旅チェシャ」。半分が完全にカタカナなのである。
「たたびちぇしゃと言います。よろしくです」
「蛇旅さんは、転校生だ。分からないことが多いと思うからたくさん質問するように。席は・・・ウサ男の後ろ! ちょうど誰か休んでるしな」
「先生! 席のことはぶっちゃけどうでもいいですが、生徒をニックネームで呼ぶのは止めて下さい」
「ウサ男君は、私のことをニックネームで呼んで陰口をしているのではないかね!?」
「そんなことをするような生徒ではあ、ありませんよ。富士山」
「ウサ男君!! 今私の名前を富士山と呼んだな? それは私に対するニックネームだろう!!」
くだらない言い争いです。そんな中、チェシャさんがこちらへやってきます。
「いつもこんにゃのにゃのですか?」
「え、えぇ・・・たまにかな?」
僕としてはあなたの「な」が「にゃ」に変換されるのがいつもなのかと、問いたい気分だった。