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02

 あれから俺は金沢かなざわに連れられ学校の敷地に足を踏み入れた。

 この世界に来る前は台風が来る度に休めるかもとか淡い期待を抱くほど嫌っていた学校だったが何故か懐かしい感じがして涙が出そうになったことは内緒だ。



「皆!聞いて!彼が新入生の倉初くらはつ君よ」

 学校の屋内運動場と思われる場所で金沢はそう言った。周りには彼女の仲間と思われる者が集まっていた。

「新入生だとぉ!?」

「ぉぉぉ!1年ぶりだな!」

「ひゃひゃひゃひゃひゃ!」

 場がパァァッと盛り上がる。

 何がそんなに嬉しいんだよ。てか、最後の奴頭のネジぶっ飛んでんじゃねぇか!?

「━━━って、俺ここに入学するの!?」

 聞いてねぇぞ、そんなの。

「今更何を言ってるの、倉初くん?」

 金沢はいかにも語尾に(笑)が付きそうな感じで言った。

 この女.....絶対いつか殴ってやる!

 そんな事を思っていると群衆の1人━━━赤髪の男。しかもイケメン。全世界の男の敵━━━が俺に話しかけてきた。

「よう、新入り!俺はあずま幸樹こうきだ。これからよろしくな」

 ニコニコと笑いながら手を差し出してくる東。

 思うんだが、赤髪って。まぁ、ここは別世界だしな。髪の色がカラフルなのは仕方がないことかも知れないが......。

 しかもよく見ると集まっている人の殆どがカラフル髪。3度目の異世界感を感じた瞬間だった。

「......ボソッ。変な頭の色だな」

「ひどっ!?初対面に向かってそれは酷くね!?」

 おっと。考えてたことが思わず口に出てしまったようだ。ゴメンゴメン(笑)

「まぁ、そう言ってられるのも今のうちだがな」

 東は小さな声で何かを呟いて元の位置に戻って行った。あまりに小さな声だったので俺には全く聞こえなかったがどうでもいいことだろう。

 東が去ったあと我先にと人が詰め寄せた。

 どうした!?遂に俺にもモテ期ってやつが来たのか!?

「皆元の位置に戻って」

 パンパンと手を叩く音が響く。

 その音に何故か集まっていた人々は身体をビクリと震わせ、急いで元の位置に戻って行った。

 まるで、強大な力を持つ何かに恐れているような動きだった。

「じゃあ、皆!新入生が入ったことだし恒例のアレやるわよ!」

 その言葉に静まり返っていた群衆はまた盛り上がる。

「アレってなんだ?」

 思わず問いかける俺を無視して金沢は高らかに宣言した。

「これより第10回アダ名決め会議を始めます!」


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