74 戦いは迫る…
地下3階…暗黒の間の攻略が始まって数十分…。
次の階段まで進んでいる俺達は順調そのもの…。俺の『潜伏スキル』で気配を消し…レイヴォルトのスキルで暗闇を攻略…。
そんで…行き先に看守のやつがいたら…
カラン…カラコロン…
「…!おい!こっちから音が聞こえるぞ!」
「お前たち!右の通路を確認してこい!」
「「はっ!」」
ダッダッダッダッ…
「やったのね!」
「よし!ティナ!ナイス!今のうちに行くぞ!」
こうして…ティナのアイテムで誘導…。おかげでハプニングもない。このままいけばなんとかなりそうだ!
…つーか…上手くいきすぎてるような…
「…油断大敵だよ…」
「…!?なっ…なんのことだ?」
「…妙ににやけているから…気になってね…」
「おっ…俺が…にやけ…?」
「…まぁ…順調だから仕方ないのだろうが…」
むぅ…。レイヴォルトからの指摘に一瞬焦っちまった…。そうか…まだ俺の中で気が緩んでたみてぇだ…。確かに気を付けなくちゃな…。
さてと…ここはどの辺りなんだ…?レイヴォルトの指示で歩いているんだが…簡単には抜け出せねぇな…。
…一応聞いてみるか…
「なぁ…今どこら辺になるんだ?もうちょいかかるなら休憩してもいいんじゃ…」
「…いや…実を言うともう階段にたどり着くところだ」
「…へぁっ!?もうそんなとこに!?」
「この暗黒の間は暗闇だからこそ面倒だが…そこを対策すれば案外スムーズに攻略できる。まぁ…確かに拍子抜けしそうにはなるが…」
「それは…そうだな…」
ふぅ…なにはともあれ良かった…。こんなとこうろうろすんのも気分わりぃ…。
「…ここから先は何があるのね?少し気になるのね!」
おっと?珍しくティナが口を開いたな…。アイテムで敵を撹乱するのにも慣れたのか、口調が柔らかい…。緊張してないのはまぁ良かった…。
ティナからの質問に…レイヴォルトは簡潔に答える…。
「地下2階は『業炎の間』。地下1階は『陽光の間』になる…。そこを潜り抜ければ出口だ」
「…『業炎の間』と『陽光の間』…ねぇ…。なんか…『陽光の間』って…よくわかんねぇな…」
「そのまま…というべきか…。擬似的な太陽の照りつける場所だ。これまでのような迷路では無いのだが…」
「…うーむ…砂漠みたいなとこか?」
「…ではないが…実際に見た方が分かりやすいかもしれないな…」
おいおい…これまためんどくさいとこじゃねぇだろうな…。これ以上しんどい目に遭うのは勘弁だ…。
そうこうしていると…
「…着いたね…」
「おぉ!ついに!…てか…はやっ!」
「ふぅ!難なくたどり着いたのね!」
俺達は『暗黒の間』を突破…。目の前にはデケェ大階段がドーン…とある。これを上れば『業炎の間』…ってわけだ。
「『業炎の間』は名前の通り燃え盛る炎のエリア…。できれば熱に対処できればいいのだが…」
「うーむ…確かに…!レイヴォルトの言う通りだな…。んでも…冷えピタ的なもん持ってねぇんだが…」
「…冷え…ピタ…?」
「あー…こっちの話」
こいつは参ったな…。熱光石は体を暖めるやつだが…体を冷やすやつなんてあんのか?少なくとも俺はそんなもん持ってねぇが…。
そんな俺の考えを察したのか…側にいたティナが口を開く。
「…体を冷やすなら…ティーの魔法が使えるのね!」
「おん?魔法は制限されてんじゃ…」
「確かにそうなのね…。でも制限されているのは威力の高い魔法なのね。体を冷やすくらいなら…普通に使えるのね!」
「ほほう…!それはグッド!早速頼むぜ!」
「ふぅ…やれやれなのね!」
ティナの呆れたような口調はちょっとムッ…とするが正直ありがたい…。これで熱中症でノックアウトは無くなる!
こうして…ティナの魔法により俺たちは…
…ヒンヤーリ…
「おおっ!?体が妙に涼しい!?」
「『アイスクリル』…低級魔法の一種なのね!これで暑いところでも難なく行動できるのね!」
「サンクス!」
無事に準備が整った…。『アイスクリル』とやらは非常に性能がよく、寒すぎない…むしろ居心地がいい…。あつい炎天下にクーラーを浴びているような気分になる…。
不思議だな…。さっきまで極寒の世界にいたはずなんだが…。こーいうのも含めて色々調節してんのか?魔法についてはよーわからん!
「さて…気を引き締めよう!ここから先…なにが起きるかわからないからね」
「おうよ!」
「了解なのね!」
俺たちは気合い十分で次のエリアへと足を踏み入れた…。この先の驚異を意識しながら…。
ー
…同じ頃…
「ヒッヒッ…さて…やつらは無事に来ますかねぇ…ヴォヴォル看守長…」
「…レイヴォルト…それに妙な力を持っている二人がいる…。まず間違いない…」
「ヒッヒッ…なるほど…。それで…看守長は『業炎の間』…こっちは『陽光の間』で待ち受けるわけですか…。上手くいきますかねぇ…特に看守長は…」
「ふん…あくまでもレイヴォルトを引き離す…それが目的だ。お前には二人を任せる」
「ヒヒッ!それはそれで面白そうで…。なら…こっちは先に上で待機してきます…。せいぜい頑張ってください…」
タッタッタッタッ…
「…レイヴォルト…このヴォヴォルを甘くなめるなよ…。同じ釜の飯を食べた者同士…決着をつけよう…!」
激闘が…迫る…。




