幕間 剣聖の労苦②
「いつもいつも…手に入れる情報は末端のやつらばかり…。たまにはねぇ…『五大教皇』の居場所とか…素性とか…そういったものはないのかねぇ?特に…最近巷を荒らしてる…あーと…そうそう…『快楽』とか…『欲望』のやつとかさぁ…」
―
『五大教皇』…。
『ハルア教』を実質的に動かしている五人の指導者…。
それぞれが謎の力を有しており、単独で国を落とすこともできるとされている…。
五人の情報はいまだもって不明…。
わかっていることは『五大教皇』の面々に与えられた二つ名だけだ…。
現在判明しているのは
『欲望』
『殺意』
『快楽』
『絶望』
の四つ…。
残りの一つはまだわかっていない…。
いまなお『五大教皇』を追い詰めるべく、調査を続けているのが現状だ…。
―
「申し訳ありません…全力をあげて調べあげます…」
情けない…。
こんなやつらのために私は…。
自分の無力さに苛立ちを覚えてしまう…。
「もういい…それ以上レイヴォルトを責めるな…」
「はっ…申し訳ありません…グリムレック様…」
私の受け答えに辟易したのか…一人の男がその場を治めた…。
グリムレック・ルシルファー…。
『天啓神教会』の中では一番若い男だが、特に大きな権威を持っている人物…。
事実…他のメンバーは彼の言葉に逆らうようなことはせず、従順になっている。
まさに、この国のトップに位置しているといえるだろう。
黒のサングラスをかけ無精髭を生やした姿には不気味な様子が…。
年老いただけの他の者とは存在感が異なる。
「…俺たちも君の働きには期待している…。だから早めに成果をあげろ…いいな…」
「はい…」
この男だけは…油断できない…。
逆らえば…何をされるか…。




