8 パーティーが始まる!②
それにしても…すんごいな…。
周りにはメイドさんに執事さん…魔王軍の連中もいる…。
さすがに民衆のやつらはいねぇが、それでも相当な規模だ…。
おら…楽しみになってきたぞっ!
空中には明かりの灯った光が浮いている…。
これも魔法かなんかかな…。
おかげで色々見渡せるわ…。
目の前の大テーブルにはたくさんのご馳走が…。
ケーキやデザートはもちろん、なんかの唐揚げだのオムライス的なやつだの…。
海鮮丼みてぇなやつまであるじゃねぇか!
俺好きなんだよ!
ラッキー!
「すげっ!いくらなんでも豪勢だろ…。誰が作ってんの?」
俺の何気ない質問にメーラはたんたんと答えてくれた。
「魔王城にいるもので作り上げました…。バレないように極秘で調理しましたが…」
「あぁ…なるほど…。それでいつもより騒がしくなかったわけか…」
今思えば今日の朝はいくらか静かだったわ…。
秘密裏に色々用意していたわけね…。
そんな風に思っていると…
ゾロゾロゾロ…
「あの…あのときの演説…感動しました!」
「いやぁ…さすがです!」
「俺…ユキさんに憧れるんす!」
「クリス様の馴れ初めの話…聞かせてください!」
「…おっ…おぅ?」
なんだなんだぁ?
突然俺の周りを魔物達が囲んできたぞ…?
そんなに俺のこと…気になるのか?
いやぁ…照れるねぇ…。
「おい!…そんな一斉にユキを取り囲むな!私の…その…大事な男なのだぞ!」
「「はぁーい…」」
クリスの鋭い一声でおとなしくなるものの…なんかみんなの反応が緩いな…。
いつもならシャキッとしてるんだけど…。
…まぁせっかくのパーティーだ。
今日ぐらい緩くてもいいかな…。