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93 弟子の成長

二日連続投稿…です…

意外と進んだなぁ…( ´・∀・`)

「ハァッ…!!」


 

 キィィィ…ンッ…!



「…!…」


 ついに始まる両者の決闘…。弟子と師匠…かつての関係はそこにはなかった…。


 激しい攻防…。剣の太刀筋は全く見えないほどに速く…勢いが強い…。


 常人であれば数分と持たない。一撃を喰らって絶命するだろう…。それでも…未だに決着がつかないのは、お互いに壮絶な実力を持つゆえだろう…。


「さすが…だね…レイ…。それなら…」


 フェルデリカはそう口にすると…瞬時に『サピロス』の持ち手を変える…。


 先程までは右手で器用に扱っていたそれが…左手へ…。


「…!」


 レイヴォルトもすぐに理解…。『サピロス』の動きを追うように…驚異的な動体視力をもって対処する。



 …ガッ…ギィィィィンッ…!!



「…フフッ…やっぱりすごいね…。フェルの教えたこと…それをきっちり守りながらも昇華させてる…」


「…あなたの教えたことは忘れていません。そして…教えられただけではダメだと言ったのもあなたです」


「そうだね…。どんなに指導が的確でも…人の実力…潜在能力は千差万別…。だからこそ…教えられたことをどうするべきか…さらに考える…。それが強くなる秘訣…だったよね?」


「…師匠…いえ…フェルデリカ…。俺の元から去ったあの日から…どうすればいいか…。こちらも試行錯誤を繰り返しました…。あなたの指導をもとに…」


「…♪嬉しいな…忘れてなかったんだね?」


「…今思えば…掌で遊ばれた気分ですが…」


「そう言わないでよ…ほら…スピードを上げるよ?」


 瞬間…フェルデリカの操る『サピロス』の動きがさらに加速する…。それはもはや人外の領域…。捌ききるのも厳しくなるだろう…。


 それでも…レイヴォルトの剣は容易く追い付く…。


 上…下…右…左…。…かとおもえば首筋を狙われ…足首を狙われる…。完璧に防御しても、今度は目…耳…小指…と…その動きはさらに激しく…かつ正確になっていく…。


 …が…レイヴォルトの体に傷ひとつつけることはない。


「…やはり…腕は落ちていない…わけですね…フェルデリカ…」


「うん…やっぱり…レイとの戦い…楽しいな♪」


 そんな死闘の間…両者とも動揺の色さえ見せない…。どちらが先に倒れるのか…それさえもわからないほど…。


 そんな様子を見ていたエリスは…息をするのも忘れていたように衝撃を受けていた。


「スゴい…レイ…ホントに…!」


 幼い頃の少年の姿ではない…。そこにいたのは…魔王さえも相手にできる…世界最強の『剣聖』であった…。


 そうした感嘆の感情…その裏で…


「…これを…あの…獣人が…」


 なんともいえない不快感が生まれる…。


 先程までの会話で…フェルデリカの指導により強くなったのは予想がつく…。


 レイヴォルトが悪いわけではない。だが…自らの想い人に手を出された…という気にもなってしまう。


 エリスがレイヴォルトと離ればなれになっていた間…フェルデリカは濃密な関係を結んでいたのだ…。


 

 ギリリ…!



「…くっ…!」


 エリスは無意識のうちに奥歯を噛み締める…。全てを滅茶苦茶にした…フェルデリカへの嫉妬心が心を蝕む…。


 …と…


「エリスッ!」


「…!レイッ!?」


 突然…レイヴォルトが呼び掛けた…。さっきまでの負の感情は一瞬にして消え去り…目の前で戦う彼の姿に目を向ける…。


 今なおフェルデリカからの猛攻を受けている状態…。それでも…守るべき幼なじみのために声をかけたのだ…。きっと何かある…。


 エリスはレイヴォルトからの言葉を決して聞き逃さないように意識を保つ。


「一度…ここから抜け出す!目を瞑って!」


「うん!」


 エリスは目を力一杯閉じる…。それを確認したレイヴォルトは、手の空いている左手から…光を集める…。 


 

 キィィィィ…



「…!レイ…もしかして…!」


 フェルデリカは一瞬…攻撃の手を止めることに…。それほどの危険を察知したのだ…。


 そして…レイヴォルトもそれを理解する…。


「あなたから『受け継いだ』…ただひとつの聖剣です…」


「…『リクリィアル』…!使えるように…なった…の…!」


「えぇ…残念ですが…一旦お別れです!」


 その言葉と同時に…



 キィィィィィ…ン…!!



 辺り一面に不死鳥の姿が現れ…そして…光が全てを覆い尽くした…。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



 …



「…ふぅ…やっぱり逃げられちゃったか…」


 気がつくと…そこに獣人…フェルデリカだけが立っていた…。レイヴォルトも…エリスの姿も見えない…。


 時間にして数十秒ほど…。その間に…二人はその場から退避したのだろう…。


「まさかね…。レイが…この短期間に『リクリィアル』を使えるようになったなんて…。」


 フェルデリカの表情は驚いていた…そして…喜んでいたようにも見える…。かつての弟子の力…その成長が予想以上のものだったからだろうか…。


「…もっと強くなるように…『リクリィアル』を継承させたんだったよね…。何十年もかかると思ったけど…やっぱり…レイ…スゴい…♪」


 フェルデリカは…いずれきたる本当の死闘に心を踊らせていた…。


 今度こそ…決着をつける…そう決意を胸に秘めて…。

さて…そろそろ2章も終わりかな?

( ^∀^)

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