彼の背中に近づきたい-19
私は、早坂さんとの関係を話した。その上で大阪に行く理由も二人に話した。
「だったら、宗佑にちゃんと話すべきだろ?早坂さんとこ行くのは、あいつが断ってからだろ?そうしたら…大阪にでも、どこにでも行けよ」
小野くんが、考えながら言う。
「私、志賀くんに避けられてる…」
小野君が、ちょっと聞いてと私を呼び止める。
「あのさ友芽、言わなくても分かるっていうのは、あいつには通じないぞ。
いいか?友芽。あいつを早坂さんみたいな大人の男だと思うな。
中学生くらいの男の子だと思って、接しろ。友芽が最初からガツガツ行くと、あいつは怯む」
「友芽は、一人っいろいろ抱えてたんだね。みんな話してしまえば、楽だったのに」
「うん…」
「けど…よくやるよな。あいつどんだけ友芽のこと大事に思ってるの」
小野くんがしみじみ言う。
「どうして?」
「変な言い方だけど、好きなやつが目の前にいるのに、手を出さないでいるなんて、相当大変だぞ。俺なら、1日だって無理だよ。それだけ、強い忍耐力で欲望を抑えられるんだから、友芽のことそれだけ好きだって事だよ。だから、安心しな」
小野くんが 、励ましてくれた。
「ん…」




