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彼の背中に近づきたい-7
「何してたって…」
「いや…俺、なんてこと…ごめん」
彼は慌てて体を起こして、自分の下に寝ているあられもない女の姿に、彼はもう1度驚く。
「どうして謝るの?志賀くん悪くないのに。私がこうして欲しかったの」
「ええっ、ちょっと待て…嘘だろう…なんでこんな事に」
志賀くんは、両手で顔を覆って、全身で後悔している。
「志賀くん…私、また間違ったの?
そんなに、謝らないで…」
「う…ちょっと待って。何が起こった?何で友芽がここにいる?意味わかんねえ」
彼は、うわっと叫んで頭を抱えてる。
「ごめん、本当ごめん。俺、なにやってるんだ…」
泣きそうな顔の彼。
そんな顔される私のほうが泣きたい。
「ねえ、謝らないで。志賀くん…聞いて、私志賀くんが好きなの。だから、答えて。私じゃダメ?私には、こんなふうに触れ合うのもいや?」
「ちょっと待て…ごめん、俺、今、そういう話されても…何も考えられない。悪いけど出て行ってくれないか?」




