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事件ー8


1階に着いて扉が開いた。



新人君は、私が逃げ出さないように、私を壁に押し付け、口を手で塞いでる。


力いっぱい抵抗したけど、狭い部屋ではどうしようもなかった。


「誰かいるのか?」

駄目だと思った時、男の人の声がした。



なぜか、志賀くんがそのエレベータに乗ってきた。


「おい、何やってる!!」


彼は、異変に気づいてその男の子をつまみ出し、襟首をつかんだまま男の子を放り投げた。


「警備につきだしてやる」


「ごめんなさい…きれいな女性とと二人きりになってつい…もうしません…せっかく入った会社なのに…親に知られたら、ああ…死にたい」


「友芽?」


彼は、どうするか私に聞いてるのだ…

男の子は、必死に頭を床に擦り付けて謝ってる。



「ごめんなさい…友芽さん。怖がらせて…俺…友芽さんと二人きりになれて…訳が分からなくなって…こんなことしちゃって」


私も、会社の中で騒ぎを起こしたくなかった。


みんなに知られるのは、痴漢行為をしたこの男よりも、避けたいことだった。


「もう…いいわ」


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