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私って、何?-12

早坂さんが、家の前まで送ってくれた。

彼は、いつもどんなに忙しくても、家まで送り届けてくれる。


「遅くなっちゃったかな」と早坂さん。

ちらっと時計を見て、早坂さんがいう。


志賀くんの家は目の前だった。

「いいえ…大丈夫です。早坂さん、その辺りでいいですから」



「友芽?遠慮するなよ。家の前まで送ってやる」早坂さん、私が志賀くんの家に住んでるの知ってる。



「いえ…大丈夫です。もうここで…」



「どこ?」



「すぐそこの…家で」


早坂さんが立ち止まって、握手しようと手を差し出した。



「いいだろ?これくらい」


「えっと…」


「こんなふうに歩くのも、最後かもしれないじゃないか。ほら…」


「はい」

私は、手を差し出した。




「ありがとうございます…ん?」

体がグラッと揺れた。


あれっ?と思って

振り返った時には、手を引っ張られて抱きしめられていた。


何が起こったのか、理解した時には、早坂さんにキスされていた。



「離して!何するんですか…」

早坂さんの腕から逃れようと、バタバタ手足を動かして抵抗した。



「やっぱり…後悔してる。友芽がいなくて寂しい」

早坂さんは、離してくれるどころか、力ずくで強引にキスを続ける。


「やめて…早坂さん…」



「嫌だ…やっぱり考え直せ。お前のこと抱けないなんて耐えられない」

玄関の明かりがついて

ドアが開き、中から人が出てきた。


「なあ、友芽、恋に落ちるのが一瞬なら、もう一度その瞬間が来るって可能性もあるだろう?一瞬なんて、長い習慣の前じゃ屑みたいなもんだ。ベッドに行けばすぐに思い出す」



「だから、違うって!!離してよ!!思い出すなんてしない。もう、帰って!」



「友芽…何やってんの」

私のすぐ横で、志賀くんの声がした。


志賀くんが出てきたタイミングで、早坂さんが強引にキスをしたから、その姿はばっちり見られたと思う。


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