私って、何?-5
余計なことしたか…
志賀くんに、なにかしてあげたいって思うのに。
私がやってあげられることって全部、彼に余計なことって言われたことだ。
せっかく拭いたのに、また、うっすら…目に涙が浮かぶ。
早く片付け物終わらせようと思った時に、電話が鳴った。
―今度の休み、マンションに来いよ
声の主は、よく聞きなれた声で言う。
私も、「なんでよ」と返す。
早坂さんが、荷物をまとめてて、その中に私の置いたままの荷物があるから、取りに来いというのだ。
「郵送しても、いいぞ」
と言われて考えた。でも、ダメだ。アパートにいないから受け取れない。
私は、慌てて取りに行くと答える。
―わかった。今度の休み、うちで待ってる
「ん、そうさせてもらう」
志賀くんに行き先、知らせなくてもいいか。あの様子じゃ、私が、何しようと気にしないだろうな。
早坂さんとは、4年も一緒にいたけど、実はお互いの事が、好きで付き合ってるとは言えなかった。
きっかけは、私が会社の同僚に、言い寄られて困ってるのを見て、たまたま通りがかった彼が、見かねて助けてくれたのだ。
「俺もそういうのに困ってるんだ。君もそうだろう?だったら、このまま俺と付き合ってくれない?」
「どういう事ですか?」
困ってるから、付き合ってだなんて、意味がわからなかった。




