同居ー26
私は、志賀くんの膝に乗っかって、首に巻き付いていた。
志賀くんは、私が落ち着くまで、引き離すのは諦めたのか、じっとしていてくれる。
志賀くんと私の間に入るものなんて何もいらない。
私は、志賀くんに甘えて彼の肩の上に顎を乗せている。こうして、私は、志賀くんと、体をぴったりくっつけて居られれば、もう、なにも要らない。
志賀くん、私の体に何か感じてるかな。
私が感じてるように、特別なものを感じてくれるといいんだけど。
寄り添っった相手と、一緒に溶けて無くなってしまいたいなんて思ったのは、初めてだ。
私がして欲しいのは、こうして体を重ねあってること。
志賀くんがくれる温もりも、ドキドキしてる心臓の音も、みんな私を安心させてくれる。
私、志賀くんのこと好きなんだ。どうしようもないくらいに。
できれば…
ほんの少し、触れるだけでいいから、
その厚ぼったい唇で、
キスして一緒に眠って欲しいのに…
そんなこと志賀くんにどう伝えていいのか、分からない。
気持ちよかった。志賀くんの胸に抱かれてるの。
私は、いつの間にか志賀くんの腕の中で、眠くなり、意識が薄れ、うとうとするうちに寝てしまった。
安心して、信頼できる腕の中にいたら…
このところのストレスから、開放されたみたいにスーッと気持ちが楽になった。
朝起きたら、着ていたスーツはきれいに畳まれていて、私は、布団の中で寝ていた。
いつ脱がされたのか、まるで覚えてない。志賀くん、私をどうやって運んだのかな…抱き抱えてくれたの?
悲しいことに何も覚えてない。
本当に、グッスリ眠れたのは久しぶりだった。
ねえ、上までどうやって運んだの?って何度も聞いたのだけど、むっつり黙ってしまって、最後にうるさいって教えてもらえなかった。




