同居ー24
志賀くんは、自分より上背がある男の襟元をつかんで、引き寄せ、にらみつけている。
志賀くんが私に気づいて、声をかける。
「危ない!下がってろ!」
「だって…」
志賀くんは、相手をにらみつけて何か言うと、自分より上背がある男を締め上げてる。
「いえ、重そうだから持ってあげようと思っただけで」
「いい大人が何やってんの。あんた、名前は?」
「名乗るほどのものは…」
志賀くんが、振り返っていう。
「おい、なんか知ってるか?」
「うん」
「今度あいつに近づいたら、遠慮なく、警察につきだす」
男は、一刻でも早く逃げ出そうとしている。
「すみみません。もうしません」
男は、走って逃げていった。
いったいどうなっちゃてるの?
まさか、あの面倒くさがりの志賀くんが、助けてくれるとは思わなかった。
志賀くんが戻って来た。
「大丈夫か?立てるか?」
手を差し出して、志賀くんが聞いてくれた。
「う、うん…」
うっすら涙か浮かぶ。
どうしていいかわからなかった。
志賀くんは、私が立てるように支えてくれ、破れた袋に散乱した野菜を広い集めてくれた。
「行くぞ」
志賀くんと私は、手をつないだまま、家まで振りほどくことなく歩いて帰った。




