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同居ー16
声をかけようと思って、周りを見た。
山本さんの姿がどこにも見えない。
「あれ?山本さんは?」
「早速逃げたよ。関係ない仕事しに出て行った」里奈ちゃんが教えてくれた。
「う~ん、さすがに男子トイレなんて行きたくないな」
「帰ってくるまで待ってたら?」と関口さんが言ってくれる。
「そうだね」
「直接依頼が来たの?」と関口さん。
「いいえ。電話で」
「そっか、どうする?一緒に行こうか?」
「いい。関口さんいろいろ抱えてるもんね。私、行こうかな」
里奈ちゃんと山本さんのフォロー、私が通常業務が出来なかった時の補佐、の為に関口さんにいてもらってる。
春は、色々仕事が立て込んでいるため、仕事が多い。
関口さんも、一度に仕事を頼まれるて、仕事が集中してしまっている。
やっぱり、そのくらいやってもらおう。
「もう少し待ってます」
「わかった」
結局、その後山本さんに見に行ってもらったけど、何にもなかったぞ、といって彼は、ふてくされて帰ってきた。




