36/113
同居人ー14
確かに。総務課への要求は、直接来ていただかなくても結構ですと、何度も文章で社内に伝えたのだけれど、守ってくれない人が何人か居る。
そういう人にも、冷たくあしらえないから、結局相手をしなければならない。
「そんな冷たくするなよ。毎日ストレス抱えて生きてるんだから、
たまには友芽さまの後ろ姿や匂い、あわよくば、お手にでも触れられればいいなと、みだらなこと思ってここまできてしまうんだから」
3つ上の山本さんだ。やっと来た。
「ありがとうございます。これから、こういうことがあったら、今度は遠慮なく男性の山本さんにお願いしますね」
「おい、俺は男の願望を無視すんなって言ってんの」鞄を自分のデスクの上に、ドサッと置いた。
「その願望の為に、どうでもいい仕事、割り込まされるのはよくないですよね?山本さん」
私も、無視できなくて言う。
「そうかな。俺だって目の保養があれば、もっとがんばれる」
「山本さんの目の保養ってなんですか?」
里奈ちゃんが上目づかいで、山本さんを見る。
「いや、いいって。言わないよ」
こっちも聞きたくないけど。




