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同居人ー13

私が所属する総務課は、


オフィスの備品、建物の管理、


福利厚生制度整備、個人情報保護などの防犯・防災対策、社内イベントなど、総合的な仕事を担当する。


ほかの部署でやらない仕事、つまり雑用なんかが回ってくる。


3月に入って、 貯蔵品の棚卸、レイアウト変更、入社式の準備、などが主な業務で、この時期は何かと忙しい。


「おはようございます」

2年目の里奈ちゃんが、私に挨拶すると、パソコンを立ち上げてすぐに出て行った。

給湯室での女子トーク、お手洗いでのメイク直し。

しばらく帰ってこないな…



「友芽ちゃんおはよう」


「おはようございます」

パートの関口さんだ。もともとうちの会社の総務にいた方で、わたしより5つくらい上だと思う。

総務課もいろいろあって、関口さんのフォローがないと作業が進まない。


サポートが必要な二人のうち、一人は井戸端会議だし、もう一人はまだ来ていない。



関口さんが目で合図してくれる。

私は、さっと振り返って、営業のお触りおじさんの攻撃を逃れる。


私は、ファイルを抱えて持ち、ベタベタ触られないようにガードする。

「友芽ちゃん、今日の夜、付き合ってよ」


「江尻さん、奥さんに聞いてからにしてくださいよ。後で、もめても知りませんから」


総務課は、社内のいろんな部署の人が使ってた備品が足りないとか、会議室の予約を取りに来たと雑用を頼んでくる。


でも、メールで送るか、社内システムに入力すればそれで済むことだから、わざわざ出向いて来ることはない。



「江尻さん、何で社内システムやメールを使わないで、直接頼みに来るんですか?」


今年2年目の里奈ちゃんが、いつの間にか戻ってきて、パートの関口さんに普段から不思議に思ってることを聞く。


「何ででしょうね?江尻さんもそうしたら楽なのにね。それより、里奈ちゃん?ああいう人が来たら、木原さんのところに行く前に、里奈ちゃんが用事を聞いてあげてね」

関口さんが気を使って言ってくれる。


「ええええっ、だってあのエロおじさん、木原先輩と話したくて来てるんでしょ?」


「だからよ。分かってるんでしょ?」





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