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同居人ー4


「ドアは大丈夫みたいだね。

でも、鍵は交換しなきゃ」


志賀くんが、壊されたドアの鍵を確認しながら、大家さんの説明を私の代わりに聞いてくれてる。


一晩たって、落ち着いたと思っても、そんなに、簡単に割り切れるものではなかった。


昨日、そのままになってる、切り刻まれた洋服やシーツを見たら、

私は、気分が悪くなってその場にうずくまってしまった。


志賀くんに言われて、部屋のすみに座って、ごみ袋を手に

壊れたものを、資源ゴミと燃えるゴミに分別する。


私は、彼に言われたとおり、ごみ袋に入れていく。


袋はすぐに一杯になっていく。


大家さんが、横に来て慰めてくれる。


「酷いことするな。本当に。

友芽ちゃん、頼りになる彼がいてよかったね。

鍵屋さん、午後に来るから、

一応、鍵が付けば住んでも大丈夫だけど」


「はい…」

私は、下を向いた。


そうだ。片付けたら、志賀くんに甘えるのは止めなきゃ。

カーペットも変えて、鍵も頑丈のにして、部屋の中身をすべて替えたら、ここにもう一度住む気になれるかな。


近くにいた志賀くんが上から声をかけた。

「その様子じゃ、ここに住むのは無理だろう。もう少し、家にいればいい」


志賀くんは、いつのまにか私の前に屈みこんで、私の不安そうな顔を見つめていた。


「何だ…見てたんだ…」

大丈夫だから、そう言って強がって見せる元気も、私には残って無かった。



顔を上げて志賀君の顔を見る。

相変わらず、無表情で言われても。

どう受け止めればいいのか分からない…


「よかった。その方がいい。

警察も言ってたけど、お金目的じゃないみたいだから…

何かあったらまずいよ。

もう少し彼の所にいた方がいいよ」

大家さんが、ここに来るのはまだ早いと背中を押してくれた。


「何してるの…早く必要なもの、

車に積んで…」


志賀くんは、大きめの袋の口を広げて、

ここに入れろと言っている。


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