表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/113

終章 君を溺れさせるほど愛したい-3


彼は、私に体をぴったりくっつけて言う。


「離れてた四年の間に、何回キスできたかな?」


「数え切れないほど」



「やっぱり、作業なんか後にして早く取り戻さなきゃ」


志賀くんは、また私の唇を盗みに来る。

私の見てないうちに、キスをする遊びを楽しんでいる。



「もう、だめだってば…作業全然進んでないよ」私も本気で抵抗してないんだけど。




「ねえ…志賀くん、ねえ、教えて。私のことへらへら笑ってるって言ったのは、どうして?私を怒らせようとしたの?」



「まさか…違うよ。そうじゃない。

笑ってないでと言ったのは、えっと。その…悲しいのに笑ってないで、その…な、慰めてあげるから泣けばいいって、いいたかった」



「えっ?」

何?この、答えを聞いたときの脱力感ってなに?


「そんなふうに言おうと思って準備してたのに、友芽が俺に向かって、いきなり乾杯って笑いかけてきたから、かける言葉をみんな忘れちゃって…あんなふうに、途中で言葉が切れちゃって…」



「何?それ」


「俺、どんだけ友芽のことが好きなんだろうな。友芽の前だと緊張して言葉が出ない。いつも失敗して友芽を怒らせて、嫌われてると思ってた」



「ごめん。でもあなたの言葉もひどかったもの」




「ん。嫌われないようにうまくやろうとすると、反対に、うまく行かなくて。

それに、早坂さんみたいな男と付き合ってたら、俺なんか相手にならないと思ってたし」


「そう?」


「普通じゃなかったから。

一時的に俺のところに来てくれても、


いつか傷が癒えたら、他に好きなやつが出来て、俺のとこを去っていくと思うと、友芽の気持ちに答えられなかった。


友芽を抱いてしまったら、他の女なんてもう愛せなくなると思って」

やだ、本気でそんなこと考えてたの?



「そんな心配、要らないのに。どこにも行かない。私、ここが好きだもの」

彼の胸に手を置いて言う。


「うん」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ