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彼の背中に近づきたい-22
「志賀くん?一つ聞いていい?
私の好きな人って誰?」
「あいつだろ?」
私から、目をそらす志賀くん。
「じゃ、どうして私は、あいつのところに行かないで、志賀くんとこに居るの?」
私は、志賀くんに詰め寄る。
「あいつと気まずくなったから」
「違うでしょ!私がここに居るのは、あなたと一緒にいたいからよ」
落ち着いて。熱くならない。中学生の志賀くんを想像する。
「俺は、たまたま君が困ってた時に、居合わせただけだ」
そう来るか…
「志賀くんは、たまたま居合わせたからって、好きでもいない女と一緒にいる?」
「そんなことしない」
「そうよね?私だってそうよ。すきじゃなきゃ、一緒にいないよ。
私、どうして毎日ここで暮らしてたの?どうして早坂さん頼らないで、あなたのこと頼ったの?」
お願い、私から逃げないで。
彼は、やっと顔をあげた。
ああ…もうなんて顔してるの…
ダメ…我慢して。小野くんの言う通り、キスして怖がられたら水の泡…
「友芽、それじゃ、俺のことすきだって聞こえる」
「もう、バカ、ありえない」




