対立6 嫁になーれ!!
〔やだ……あたし……なんで、あんなヘンタイに嫌らしいことされて……あんな超どヘンタイなのに、早く殺してやりたい〕
多荼奈の悪夢に現れたフェンの影。多荼奈の全身を舐め回すように触れてくるのだ。世の男の中でもヘンタイ丸出しの最低野郎であった。
そんな悪夢から目覚めた多荼奈。もう酷い汗だくの状態だ。
「史上最悪の悪夢だったわ。もう、いやんなっちゃう」
そんな時、フェンは、故郷の星『魔窟星』を思い返していた。
「ブス嫁確定の生息星ばっかり行かせてよぅ、魔窟号の艦は、なんて役立たずなんだ。まったくさ!!」
「ブツブツ独り言を放つとストレスで悪病に冒されますよ、マスターフェン」
「余計なお世話だ、サイボーグ風情のクリナが」
「失言です。撤回せねばメタリカルキャノンがマスターの脳天を砕きます」
「じょーだんだよ、クリナ。真に受けすぎぃ!!」
クリナが渡したファントメーターの端末で、多荼奈を始末できると思ってはじゃぎだした。
とある人気ない更地の空間。たまたま通り過ぎ去るとこの多荼奈がこのわき道を競歩コースで競歩トレーニングをしていた。
「フフッ。飛んで火に入る夏の嫁とは、まさにタタナッ、お前のことだ! ハハハハー!!」
「夏のG、出たわねっ!!」
「口の減らないオンナだ……仕方あるまい。これを食らえ!!」
「アキラ・クロネート。あたしの好きな芸能人が目の前に!? なんて、偶然なの~!! キャアアアア」
「ククク。奴め、かかったなファントメーターの性能に。よし、倒す前にお前の純潔とやらを奪ってやる」
多荼奈に近づいたフェンは、可愛らしいつぶさな唇をその口で吻けた。
「なんて柔らかな唇だ。まんぞ……オエ!!」
端末のファントメーターが少女の蹴りで破砕され、ついで至近距離にいたからか、腹部に膝蹴り入れたという。
「フン!! 不覚にもキス奪われたが……フェンの野望には屈しなかったわ。残念ね。もっと強くなることを待ってるわ。じゃあね♪」
そうやって、自らフェンのもとから立ち去って行った多荼奈だった。