表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

対立5 クマになーれ!!

〔自分は、いつの間に寝てしまったのだ。寝ている時間が長かった……その間に天敵が力を付けたら魔視効果が出来ぬまま、魔窟星に帰れなくなる。早く、あ奴を倒して地球人の嫁にして持って返ればな……〕


 クリナが治療し看病したお陰でフェンは、早く回復したのであった。


「クリナ、すまぬな。ん? お前、所々痛んでいるじゃないか? 修理は良いのか?」


「マスターフェンが休まれている頃、天敵がパワーを上げてる模様と察し、索敵しておりました」


「馬鹿野郎。変な気は起こすな!!」


「申し訳ございません」


「強靭の爪と牙を開発してやる。次は、負けぬぞ。タタナ!! ハハハハ……」



 多荼奈は、猟銃マニアの銃器コレクターのはり生潤うじゅんと出会った。

 同学年同士の学生で狙った獲物は逃さないタイプだ。


「針生くんチって、銃器だらけでも、何か悪くないわ」


「美人の多荼奈さんに言われると、照れちゃいますよ」


「猟銃の撃ち方、ちゃんと教えてね」


「ああ、判ってるよ!!」


 銃器とは言うもののBB弾とペイント弾だから危険性はない。


「玩具のでも、BB弾は威力あるの?」


「本物とは断然違うって。まあ、射撃練習してみてよ」


 腕前の凄さに見とれてOKサインをもらった多荼奈。

 一応、長物包装用の袋とセットで借りて持ち帰ったのだ。


 某月週末。土曜日は休校なので、多荼奈は山歩きがてら例のモデル猟銃を用意してきた。


 ガサゴソと草むらが騒ぐので、クマかと思えば、例の天敵だったのだ。


「なーんだ。クマじゃないんだ? なんだ女ったらしだよ……」


 フェンの脳裏が『なんだ女ったらし』の言葉が繰り返しよぎった。


「なめるな!!」


「ん!?」


「なんだとはなんだ。なんだとはっ」


 何となくモデル猟銃を構えもった多荼奈。


「女ったらしと言ったんだよ。なんだと言って、何が悪いのよ!!」


「タタナ、言って良いこと悪いことあるだろー!! ワイルドクロウー!!」


 最初の一波も虚しく、射撃出来ずに左のこめかみをクロウ攻撃で被害をこうむった。


「フフッ。どうやら女ったらしは本当らしいわね」


「ああ、そうさ。女ったらしのどこが悪い。自分はヘンタイだよー!!」


「開きなおるな、超どヘンタイ!!」


 言いながら射撃を成功させた。だが、BB弾だと効果は薄かった。


「なんじゃこりゃ? 玩具だったのか!?」


「こうなったら……クマになれ!!」


「ウォー、ウォー!!」


近くの樹木をワイルドクロウで伐採後、自分の方に切り倒されて頭が激突されたフェン。


「クマ撃退……じゃなくて、フェン撃退。ああ、気持ち良いなぁ♪」


 多荼奈は、モデル猟銃をしまって森林を下った。

 そして、針生に猟銃を返しに行ったという。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ