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対立3 Gになーれ!!

〔脱け殻術。自分が創った巣窟空間・鏡嶽きょうがく。ここで編み出した数々の魔術。脱け殻術を手にした自分は、決死の思いでタタナを倒してやる。覚悟しろよ!!〕


 今度のフェンは、なんかやってくれそうだ。

 彼の野望は、可視人間を倒すこと。一人を許せないからと拘る精神力は、どの誰よりも勇ましい。


 蟻川家。

 蟻川家ママが台所仕事をしていた。

 そんな矢先に、台所の大敵『G』の成虫が一匹現れてきた。


「キャアアアアッ~!! Gが出たァ~!!」


 ママの絶叫に、多荼奈がぼろ雑巾を巻いたラケットを用意し、ターゲットに目掛けてハタキだした。


「えーいッ!!」


 見事にGは撃沈したという。


「タタちゃん、ありがとね」


「へへーん。お安いご用よ」


 多荼奈は機嫌が良いので、近くまで鼻唄混じりでショッピングに出掛ける所だった。


「ふんふ~ん♪」


「嬉しそうだな~!! タタナとかいう小娘ェ~!!」


「G並みに現れたな、ヘンタイG!!」


「はぁ? Gとは、なんなんだ!!」


「あんたみたいなイラナイ存在よ!!」


「うぬ~。またしても……暴言を~!! 魔視効果!!」


「そうはさせない!! 今日はGになれ!!」


 地面に張り付き無造作にベタベタと徘徊しだすフェンだった。

 背中ががら空きなので、片足で踏み出した多荼奈。

 沈黙したので、やっと仕留めたと安心したのだ。

 それもつかの間だった。洗脳される寸前で脱け殻術をかける前提の薬剤を己の全身にまぶしたので、多荼奈の術にかかった後、撃沈されたらその体を灰にし、新しい本体を現したという。


「馬鹿め!!」


 フェンが多荼奈の背後に回って二つの胸を鷲掴みした。


「キャアアアア~!! あたしの純潔が~ッ」


「うほ~!! すげー、柔らか~!!」


「さすがに……G並みにしぶといナァ。これで……どう?」


 ジャンパーに何故か入っていたG撃スプレー缶をそのノズルを天敵に向け、噴射させた多荼奈だった。


「ぐはぁ~!!」


 今度こそは、さすがのフェンも撃沈したという。だが、自分の巣窟へ回収帰還した時、鏡嶽の名医的存在『クリナ』により治療されたのだった。


 そんなことも知らず、機嫌が良い多荼奈は、ショッピングに出掛けるのであった。

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