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対立2 鳩になーれ!!

〔自分は、フェン・タイーンであって、けしてヘンタイではない。ヘンタイのイニシャルのHで刻まれる存在になってたまるものか!!〕


 そんな気持ちを胸に、蟻川多荼奈にリベンジするため、復讐の炎を燃やすのであった。


 蟻川家付近の商店街。

 コーヒーチェーン店『ライラカフェ』。多荼奈の友達の溜まり場で、ちょくちょくここまでダベりに来ていた。


 友達のさゆりが多荼奈を誘ってコイバナ相談会に付き合わされたのだ。


「……でさ、カレが3マタかけてさぁ、もう大変なのよ~」


「カレいる娘は良いね……。あたしなんていないわよ、相手」


「タタちゃん可愛いのにもったいなーい!!」


「褒めてんの? 可愛かったら付き合ってるよ」


「なんか、オーラが違うんじゃない? 恋愛から離れた何者かに……」


「さゆり、肌寒いからもう帰るわ」


「私こそゴメンね。誘ったの私だから払っとくよ」


「そんなの良いのに」


「無理言って付き合わせてゴメン。だから……」


「じゃあ……よろしく。バイバイ、さゆり」


「また、学校でネ」


 帰宅中、多荼奈はまたあの時のゾクゾク感を察知した。


「いえ~イ!! オジョーサン、また会ったネ~」


「出たな!! どヘンタイ・エックス!!」


「何度も人をおちょくりおって、名は何て言うのだ!!」


「ヘンタイさん? フェンとか言ったっけ? あたしはタタナって言うのヨ!!」


「タタナという小娘、今日こそは霰もない姿を拝んでやる。魔視効果!!」


 フェンは、普通の人には姿が写らない。多荼奈は、能力があるからか、その全貌が洞察力で判るという。魔視が効果されると、多荼奈の全身が一糸まとわぬ姿に見えるらしい。


「しまった。見られてしまうわ。う~ん……じゃ、今日は、鳩になれ!!」


 ポケットに入っていたピーナッツの袋から中身を出して、


「福は内、ヘンタイはー、カラスの餌!!」


 その言葉通りにフェンは、カラスのいる木に飛び込み、大群の嘴につつかれて鳴いてしまった。


「ププッ、ポポーポーッ!!」


 フェンのは、無惨にも数ヵ所も穴のような怪我を負った。


 数分後。フェンは、効果が切れて我に返った。


「またしても、タタナめ~!! 許せ~ん!!」


 多荼奈の肌寒い感覚は、今ではとうに消え、気持ちよく帰宅できたのであった。

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