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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
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鳥と止まり木。

掲載日:2015/12/28

 空は青く、鳥は彼方を飛んでいる。

「またフラれたー!」

 トウコは青へ向かって叫んだ。苦笑いしながら、ミツミは叫ぶ彼女を眺める。

 トウコは男にフラれると学校近くの高台で叫ぶ。ミツミはそれを一部始終見つめ、そして慰めるのが習慣となっていた。

「あー……もう恋愛なんてしなーい」

 ぐったりとベンチにもたれ、トウコはうめくように言った。毎回のことだ。

 ミツミは「まあまあ」と彼女の髪を撫でる。肩までのそれは、自分の長い髪と違い柔らかい。

「アンタに合う男なんて、これから腐るほど現れるわよ」

 本当は現れて欲しくないけれど、ちくりとする胸をなだめすかしミツミはトウコへ言った。

 彼女の落ち込んだ顔なんて見たくないし、笑っていて欲しい。

 その為ならば、いくらでも愚痴を聞こう。『フラれた親友を慰める優しいミツミさん』を演じようではないか。

「ミツミ……いつもありがとぉー」

 ぎゅうっとトウコは抱き付いてくる。しかし悲しいかな、それには何の他意もない。

 ミツミはトウコの頭を撫でながら、空を仰いだ。白い鳥が二羽、肩を並べて飛んでいる。

 切ないけれど、私達はあのような比翼の鳥にはなれないのだ。せいぜいが、私はあなたが比翼となるまでの止まり木だ。それはたまにくじけそうになる。

 でも私はあなたの翼が手折れるところなど見たくはない。あなたには笑っていて欲しい。自由に空を飛んでいて欲しい。

「目に痛い青空だねー……」

 見上げたまま、ミツミは呟いた。

 あなたの笑顔を見たいから、私は笑ってあなたを見送るのだ。ミツミはほんの少し力を入れて、トウコを抱き返した。


お読み頂きありがとうございました。

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