逆ハー?遠慮しておきます
「あなたに会えるのを待ってたの!」
それは小学生の時、新学期が始まった初日の放課後、私の手を握りしめ叫ぶように言ってきた、今は親友となった相楽亜紀と私、綾瀬美奈の出会いだった。
亜紀の話では、この世界は乙女ゲームの世界とそっくりらしい。
確かに、日本人なのに、有り得ない髪色だったりするのよね。
私なんて、桜色。嫌いな色じゃないから案外気に入ってるわ。
ゲームのタイトルは聞いたけど忘れた…
私と亜紀はその世界に転生したらしい。
確かに、美奈としての人生ではない記憶がある。まあ、全部覚えてる訳ではないけど、最終年齢は、まあまあいい年をしていたと思う。
「明日からやっと高校生ね!!」
私はテンションの高い亜紀を見つめ
「ゲームの通りには行くつもりないからね」
「えぇ~、どうしてよ~。せっかくのヒロインポジションなのに」
そう、私はゲームのヒロインらしい。亜紀はその親友。
「ヒロインがいいなら、亜紀がやったらいいじゃない。」
「嫌よ。親友ポジションでヒロインとイケメン達のあれやこれやを眺める!その方が面白いじゃない」
「あれやこれやって…」
私は苦笑いをするしかなかった。
「じゃぁさ、イベントとか全部潰したらどうなるか、とかは、気にならない?」
「えぇー…うーん…」
「ね?」
私は小首を傾げ微笑んだ。
亜紀は一瞬固まって、ため息をついた。
「分かった。覚えてる限りのイベントは、その時伝えるよ」
「ありがとう!」
私は満面の笑みで亜紀に抱きついた。
入学式、これもイベントらしいけど、出席しない訳にはいかないから、このイベント潰しは諦めた。でも、とりあえず大人しくしていようっと…
と思ったのに、何故か攻略対象達に出会ってしまった。
何故だ……………?
その後も、出来るだけイベントを潰しているのに、攻略対象者達が関わってくる。
一人を避けても別の一人がやって来る。その繰り返し。
亜紀は、こんなシーンあったかなぁと困惑しながらも、楽しそうにしている。
他人事だもんね!
「どうしてこうなったの…?」
「うーん、まさか逆ハーエンドでもあったのかしら?」
「何それ、勘弁してよ………」
ざっと思い付くままに書きました。
読んで頂きありがとございました。