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立ち入り禁止

落ち込んだ様子で暫く動かなかったアンドレの姿を見飽きたのかエルスは椅子に腰掛け立ち直るのを待った。


「……慰めとかないの?」


「慰め?惨めだとは思わないの?」


「ねぇ、刺さってる。言葉刺さってるから」


「さっさと立ち直ってくれない?話が進まないわ」


「あ、俺の気持ち待ちなのね」


深く息を吸いそれを大きく吐き、アンドレは気持ちを切り替えたかの様に明るく笑いエルスの方へと向く。


「さっ、話ってなにかなっ」


どこかワクワクした様子のアンドレにエルスは不思議そうに小首を傾げながら見つめていた。


「規則違反者には厳罰を」


「ん?」


「そして発見者には報告の義務がある」


「…まって、落ち着いて話そうか」


「消灯時間後の徘徊、それにここも夜間は立ち入り禁止よ」


「よぉし、今夜君は俺に会ってない!これでどう?」


「間違いなく私は君に会ってる」


「なかったことにしよう!ね?!」


「…そういう根性、むかつくわ」


不意のエルスの冷たい視線に、アンドレは思わず息を飲む。

美しくはあったが彼が感じ取ったのは鋭い殺意に似た何かだった。


繋ぎ程度だと思ってください…



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