ファイル二「恋愛捜査」A
話の長さの都合により、三分割もしくは四分割するうちの一つです。
ファイル二「恋愛捜査」
俺が探偵助手になってからもう二週間が経った。あれからというものの、おばあちゃんの手帳探しや、小学生のプリンを食べたのは誰だという論争に巻き込まれたり、色々な仕事をしてきた。収入は未だに少ない。
今日も今日とて事務所で書類整理をしながら依頼が来るのを待っている。
「真希さん、この資料どこに置いておけばいいでしょうか」
「二番目の棚の上から三番目の段の、プリン事件のファイルの隣に置いておいて」
プリン事件っていうと、なんだか凄く平和な感じがする。まあ、実際微笑ましいものだったのだけど。
俺は書類を指定されたところに収納し、一旦休憩を取ろうとコーヒーを淹れ、助手席に座る。書類整理は一段落し、今はするべき仕事が無いのだ。時間は夕方、学生達は授業を終えて、部活やサークル活動に精を出し、何にも所属していない奴は自宅で趣味の時間を過ごす。
そんな時間。俺はこの時間が好きじゃない。というか嫌いだ。嫉妬じゃない。別にうらやましいわけではない。いや、羨ましい。嫉妬だよ、悪いか。
「失礼します!」
俺の退屈を吹き飛ばすかのように元気良く事務所の扉を開けるのは我が妹の美央だった。美央が事務所に来ることはあまり無く、珍しい。
「美央ちゃんじゃない。どうしたの」
俺よりも早く反応する真希さん。美央が好きなんだな、真希さん。
「いやあ……ちょっとご相談がありましてー、主にお兄ちゃんに」
「ん、俺に?」
美央が俺に相談とは珍しい。いつもは俺が美央に相談を持ちかける立場なのだ。兄妹立場逆転だけどな。
「あいや、お兄ちゃんだけにってわけじゃないから!」
力強く否定される。
「で、美央ちゃん。どうしたの? わざわざ訪ねてくるってことは、依頼しにきたのよね? そこの薄汚い男に相談するためでなく」
「そうなんですよ! お兄ちゃんが薄汚いかどうかは別にしてー。で、そのご相談と言うのがですね……うちの彼氏のことなんですけど――」
「ちょっと待て、何か凄く切ない言葉が聞こえたような気がしたんだが俺の気のせいでいいのか。彼氏がどうのこうのと聞こえたぞ」
美央に彼氏が居るなんて話、聞いたことが無い。え、兄に内緒で彼氏作るとかそう言うのか。やっぱり内緒にしとくもの? え、真希さんは知っているのかな。
「彼氏さんがどうしたの?」
これは知っているな。くそ、やっぱりそういうのは男より女に話すものなんだな、勉強になった。
「すまん、ちょっと取り乱した。続けてくれ」
「え、ああうん。で、その彼氏なんだけど……最近少し様子がおかしくて。どうしたの? って聞いても、何にも無いの一点張りでね。でも、明らかにおかしいんだよ私から見れば。神様仏様の目は誤魔化せても彼女の私の目は誤魔化せないぜ! っていう」
「なるほど、要は彼氏の様子がおかしい原因を調べてくれっていう事だな」
「その通り! お兄ちゃん話が早くて助かる!」
いやまあ、誰でもわかるぞ。美央は自分の説明能力の無さを自覚しすぎている。そんなに分かりにくいことは無い。普通の女子大学生並みの説明能力だと思うんだが。
「その依頼、確かに請け負いました。では、早速貴方は美央ちゃんの彼氏と接触して頂戴。彼女の兄という肩書きがあるから、簡単でしょう?」
話がとんとん拍子に進んでいく。話が早いのは俺じゃなく、どう考えても真希さんの方だな。
「ええ、ただ彼氏の存在を知らなかったので。美央に彼氏を俺のところに連れてきて貰うというのが手っ取り早いですね。それで美央は自然に席を外して、俺がそれとなく聞きだせるように……」
俺は美央を見る。携帯電話で何かを打っている。メールだろうか。
「彼氏に、明日うちに来るようにって伝えておいたよ! お兄ちゃんに紹介したいからという理由でね」
うちに来るように……ちょっと待て、その、うちっていうのは豊田家の邸宅? 金持ち屋敷か。ちょっと待てそれには豊田一家の了承が……それに、こんな薄汚い男を招き入れるほど寛大なのだろうか。
「うちってことは、私の家に来るのね……はあ、仕方が無いわ。じゃあ私から両親に伝えておきます、きっと貴方のことは受け入れるわあの親だもの」
「ですね! あの親あってこの娘あり! って感じですもんねー」
ああ、正義感が強いとか、お人よしとかそういう感じなのか。それなら確かに納得だわ、その親あってこの娘あり。
「では、明日の夕方六時頃に伺いますんで! お兄ちゃん、豪華な家だからってはしゃがないでよー?」
「ばっかお前、はしゃいだりするわけ無いだろ。子供じゃないんだから」
「だよねーん! じゃあ、また明日!」
その明日である。豊田家の玄関前。外から見るだけでもとても豪華な家だ。というかこれは本当に家と呼べるのだろうか。俺の家とは逆の意味で。
チャイムを鳴らす。すると真希さんが私服姿で出てきた。中へと入る。
中はものすごく綺麗だった、うちと比較するともう雲泥の差以上の差があるな。そもそもうちと比較するのがものすごく失礼なんだが。
「おじゃまします。って、なんだこれ……え、これが噂に聞くシャンデリアって奴か。なんでこんなに綺麗なの、なんでこんなに大きいの」
シャンデリアだけじゃない、この家にある全ての家具が、綺麗で、大きい。なんだこの、ザ・金持ちみたいなイメージを実体化した家は。
特に輝いているのは化粧棚だ。大きな鏡にやたらと光沢のある木材の棚。漆でも塗られているのだろうかと思うくらい光沢がある。しかしその上には、質素な白い紙が写真立てに入れられていた。裏返してあるのだろうか。
「結局はしゃいでるじゃない、まだまだ子供ねえ貴方も」
しまった俺としたことがはしゃいでしまっていたのか、テンションが上がりすぎて自分でも気が付かなかった。
俺は咳払いをして、冷静さを取り戻そうとする。そうだ、今日は遊びできているんじゃない、仕事だ。仕事できているんだ。はしゃぐなんて言語道断。
「いやしかし凄いですね、全ての家具が光って見えます。美央はこんな家で毎日を過ごしているのかこの勝ち組め」
「兄妹でのこの差は何なんでしょうね? 住処も妹が勝って、性格も妹の方が良いし、妹は顔もいい。ああ、もう天地の差ね」
おい待て、俺の住処が悪いのは認める。実際寝心地も悪いし、何もすることがないし、何も置いていないし。しかしそれだと俺の性格も悪いみたいじゃないか。納得できん。
「天地の差というよりはもうこれはあれですよ、比較対象にすらならないですよ」
突然鳴り響くチャイム音。その音は良くあるものだったが、それでさえリッチに聞こえてしまう。ターゲットが来た。呼び出しには美央が答える。
「はーい!」
「お邪魔します」
「じゃあ、私は上に行ってるわね」
真希さんは階段を上がり、二階で待機。この家の二階には、ホテルのように階段を上がってすぐのところに広間がある。そこからこのリビングの様子は見えるのだ。
だから真希さんはその二階の広間で大きい観葉植物に隠れ、俺達の話を聞くのだそうだ。
「お兄さん、こんばんは」
どうやら、俺の前に立って挨拶をしているこの男が彼氏のようだ。俺よりも背が高い、ざっと百八十センチメートルというところか。髪型は今風の髪型で、黒髪だ。ピアスの穴は開いておらず、チャラチャラしているタイプの男ではないようだ。笑顔が爽やかな典型的イケメン。非の打ち所が無い。
しかし、服は全体的に皺が寄っている。ファッションに関しては無頓着なのだろうか。あるいは誰かに買ってきて貰ったものを着ているのだろう。
「ああこんばんは」
「まあ、座って座ってー!」
美央とその彼氏は、俺の目の前に座る。俺と二人の間には頑丈そうな机が置かれていた。
いきなり美央が席を外したら不自然なので、最初は普通の会話というか俺に彼氏を紹介するというプログラムだ。その後、自然な流れで席を外し、その間に作戦決行。
「そこに居るちょっとあれなのが私のお兄ちゃんだよ! で、私の横にいるのが彼氏の新井槍田君。私はやりりんって呼んでるけどね」
ヤリリンって、クリリンかよ。
「どうも、新井槍田です。美央さんとは同じサークルに所属していて、そこで出会ったんです」
何だよ槍田君、礼儀までしっかりとしてるのかよ。本当にどこも批判できない完璧な彼氏だ。認めざるを得ないな。
「よろしく、新井君」
しかし名前では呼ばない。妹の彼氏を直接名前呼びすることには抵抗を感じる。心の中ならいいのだ。
「あ、私お茶淹れてくるね!」
「ありがとう、美央」
さあ、ここからだ。尋問開始。話題は絞るべきだな、様子がおかしい理由をある程度推測しよう。それはずばり恋愛の悩み、つまりは美央絡みのことに違いない。男が彼女に自分の異変を隠せなくなることと言えば、恋愛のことくらいしかない。
美央が心配していたと伝えるのはその後だ。今は流れ的に馴れ初めの話をするべきだな。
「ところで新井君、サークルには数多くの女子が居ただろう? どうしてうちの妹を選んでくれたんだ?」
「最初は、凄く仲の良い友達だったんです。親友になる一歩手前で……きっかけは良く分からないけれど、好きだと自覚した頃には行動してました。だから、理由を問われると答えられないですね」
流暢に話しているように感じるが、一瞬間があった。そしてその時俺から目を逸らした。なるほどね。
「そうなんだ。サークル内恋愛って色々大変だろう? 周りにはばらしてるのか?」
「……いえ、周りには言ってません。もしそれでサークルの人間関係悪くなったりしたら駄目なんで」
「まあ、そうだな。ああ、そんなに礼儀正しく座らなくてもいいぞ」
「ああ、そうですか、じゃあ」
鎗田君は足を組んだ。右足を上にして、靴の側面が良く見える。靴の側面……? そういえばこの靴の側面、ちょっとおかしい。擦り傷が付いている。
少しして槍田君はまた足を正した。これはそろそろ美央がお茶を淹れて戻ってくるだろうな。尋問は終了。最後の確認だ。
「そういえば美央が、新井君の様子が最近おかしいと心配していたぞ」
「……そうですか、ご忠告痛み入ります。でも、大丈夫ですよ。何でも、無いんで」
確認完了。判断材料が全て揃った。あとは考察し、それを今夜真希さんと美央に伝えればいい。
「お茶淹れて来たよー! あっついから気をつけてね!」
「ありがとうな、美央」
「ん、ありがとう」
鎗田君は右手でティーカップを持って美央が淹れた紅茶をうまそうに飲む。鎗田君の七部袖の服の右袖に赤い汚れを発見。位置的に考えて今紅茶でつけた汚れでは無いのだろう。それに乾いている。赤い液体が付着し、それが乾ききったような汚れだ。
「そろそろ俺は帰るわ、あまり邪魔しちゃ悪いしな」
「さようならです、お兄さん」
「ああ、また機会があればな」
「お兄ちゃんおつかれー!」
事務所に戻ってきた。一人で真希さんと美央を待っている間にホワイトボードに、今日の成果を図式で表す。その後、一人で紅茶を飲み、落ち着かないので事務所内をうろうろする。
過去の事件のことが気になり、ファイルを調べる。別にいいよな、助手なんだし。仕事の参考資料だ。
過去の事件はどれも単純なものばかりだ。漫画にあるような殺人事件を扱う探偵など、やはり現実では有り得ないな。
しかし、気になるファイルが一つ。丸秘マークが付いているファイルだ。ファイルの色も他のものが青いファイルなのに比べ、これだけ黒い。何か特別な事件だったのだろうか。
俺は自然とその黒いファイルに手を伸ばしていた。ファイルの中身をパラパラと読む。
見出しは『事業企画事件』だ。そしてそこには依頼者の名前が記されていた。この事件の依頼者の名前は家梨遊期。家梨遊期……? 俺の父の名前だ。こんな変わっている名前、そうそう同姓同名の人なんて居ないだろう。
どういうことだ。親父が真希さんに依頼を……?
事務所の扉が開く。俺は慌てて黒いファイルを元の位置に戻す。
「ただいま」
「お邪魔しまーす!」
「お疲れ様。じゃあ、始めるか」
俺はホワイトボードの横に立つ。
「おお、書いてたんだ! お兄ちゃん偉い! いやー仕事だけはちゃんとやるんだね!」
「まあ、助手としては当然ね。合格よ」
当然なのに合格なんだな。
「じゃあ、順を追って説明するぞ。俺は最初はこう思っていたんだ。新井君が悩んでいるのは美央との事だと」
「まあそうね、私もそう思ったわ」
「だから恋愛がらみの質問を投げかけた。案の定、質問に対する答えには全て変な間があった。ここまではなんてことない。問題はここからだ」
「どういうことー?」
「新井君は明らかに、サークルという言葉に反応していた。お前との馴れ初めや、他の女子じゃなく、お前をえらんだ理由をきいた時、ぼかすようなことを言っていた。サークルの人間関係を気にしている……」
「でもそれだけだとただの断片的な情報でしかないわ」
「まだある。新井君は身なりには気を使いそうなイケメンだったし、礼儀が良かった。にも関わらず、服に皺が寄っていたんだ。そして右袖に赤い汚れが付いていた。靴の側面にも不自然な擦り傷があったんだ」
「だから何が言いたいの? 断片的な情報を並べるだけで、何も推理にはなってないわよ」
「人の話は最後まできけ。ここからだ。普通は、彼女と会うのに皺が寄っている服を着るはずがない。ましてやその身内と会うのだからなおさらだ。にも関わらず、皺と汚れ。そして靴の側面の擦り傷だが、普通側面に傷は付かないよな。人間は歩くとき、靴の側面は擦らない。しかもコンクリートで擦ったような傷。こんなのはコンクリート上に靴の側面をぐりぐりと擦り付けないとつかないはずだ」
「それで?」
「となると、誰かに靴を奪われ、側面をコンクリートに擦りつけられたか。でもそんな奇天烈ことは普通しない。となると、靴を履いた状態で、コンクリートの上に寝転がったと考えるのが自然だ。しかし、自分からコンクリートの上に寝転がるなんてそれまた奇天烈だ。そんなことをするのはホームレスくらいだ」
「そうね、貴方くらいね」
「そして、服の皺と赤い汚れと掛け合わせると答えは自ずと一つに絞られる。つまりは誰かと喧嘩をしたんだ。そしてそれはきっとサークルの人間の誰かとの喧嘩だろう。皺はその時に出来たもので、赤い汚れは血を袖で拭ったのだろう。」
これで俺の推論はすべて終わりだ。流石に喧嘩の理由までは分からない。だから、この推論の正誤と、正しいのなら喧嘩の理由を本人に直接聞くのが早い。
「ふむ……貴方、今まで仕事とかしていなかった割には人を見る目はあるのね」
「世界で一番有名なとある探偵はこう言った。物を見るのと観察するのとは違うと。俺は新井君を観察していただけだ。これは、ホームレス生活の暇な時間を人間観察に当てていたため体得した特技である」
「喧嘩、かあ……あまりいい気はしないなー」
「まあ喧嘩の理由は本人に直接聞くさ。美央は明日、ここに新井君を連れてきてくれ。その時、彼の口から真実を聞こう。無論、美央はその時席を外すこと」
反論、異議は無し、と。ていうかこれもうどっちが助手か分からないな。
「んー、わかったよ! じゃあまた明日ね!」
「おう、また明日な」
「……お兄ちゃん、あとでちょっといいかな」
美央は去り際に耳打ちする。
「ああ、わかった」
小声で返事をした。そのまま美央は事務所から出た。あとで、ということは俺はすぐに後を追って帰るわけには行かないな。きっと俺のダンボールハウスに来るのだろうし。
だとすればここで少し時間を潰しておかなければ。
「真希さん、どうでした?」
「んー、もうこれ私の方が助手っぽいわね」
あ、自覚はあったのか。
「そう思うなら明日は貴女が主体で頑張りましょうよ」
「そうねえ。いつまでも助手に主導権握らせるわけにはいかないしね」
「そうですよ、そうじゃないとクライアントにも面目立たないですよ?」
探偵に依頼したのに、その助手が事件を解決するんだもんなあ。依頼者はびっくりだわ。どっちが探偵さんでどっちが雇われ助手さん?
「そうね。気をつけるわ」
「気をつけてくださいね、俺もちょっと申し訳無くなるんで」
「あ……う、ごめんなさい。そういえば貴方、お父さんやお母さんとは会ったりするの?」
真希さんは神妙な顔つきで俺に問う。その表情からは何かしらの意味を感じざるを得ないのだが、それがなんなのかは分からなかった。
「……いいえ」
「そう、なのね。でも美央ちゃんとはちゃんと会ってるのよね」
「まあそうですね。あいつが居ないと俺は餓死するんでね、流石に気の毒だったんでしょう。それに、美央と俺は一方的被害者ですから、つながりあうんですよ」
「被害者心理ね。でもきっと美央ちゃんは被害者心理で動いてるわけじゃないと思うけど。あの子素直じゃないからねえ」
「素直じゃないけど分かりやすいですよ、あいつは。すぐ顔に出る。昔っから何かを隠すのが下手糞でねえ」
「そうっぽいわねー、あの子は少し頭が弱いみたいだし」
今頃くしゃみでも連発してそうだな、美央。というかそろそろ行ってやらないといけないだろうか。いや、まだだな。日常的な会話をしているとどうも時間の感覚が狂う。
「頭が弱いって言ってやったら流石にあいつがかわいそうですよ?」
「ふふ、そうね。ちょっとねっ」
お、少し笑った。こうして見ると昔の真希さんと同じだな。やっぱりどこか無理をしている。たまに素に戻るのが何よりの証拠だ。
「でも意外とあの子って、頭良いのよ?」
「知ってますよ、兄ですから」
「あとブラコンよね」
ブラコンなのだろうか、あいつは。大学生になってもお兄ちゃんお兄ちゃんと呼んでくるが、ブラコンとは少し違う気がする。
「貴方はシスコンだけどね」
「おい誰がシスコンですか」
「だって貴方、あの子の彼氏さんの話になったとき、すごく動揺してたじゃない。それが何よりの証拠よ、あなたはシスコン、認めなさい」
「認めてます。ていうか何一流の推理してやってぜみたいな顔してるんですか、そんなの誰でも丸分かりです」
したり顔でドヤ顔してるんだもんなあ、真希さん。今絶対この人キャラ付けのこと忘れてるよ。
「あ、う……そんな顔してないわよ」
あ、急いで戻した。可愛いな、この感じ。
「はは。じゃあ、俺そろそろ帰りますね。今日は疲れたんで」
「え? ああ、そうね。お疲れ様っ」
「お疲れ様でしたー」
はい、ファイル二のAパートです。
妹の美央からの依頼、どうなるのでしょうか・・・?
推理が入りましたが、まだまだ続きますよ!
何せまだ序盤中の序盤。本のページで言うと十ページもありません。
ページでいうと四十ページくらいにはなる話なので、
まだまだ先は分かりません。
あと推理中に出てきた世界で一番有名な探偵さん、どなたかすぐ分かりますよね。
私はあのシリーズが大好きで、小学生時代に読み漁った記憶があります。
『シャーロック・ホームズの冒険』で、ホームズがワトソン君に言う台詞ですね、「君は物を見ているだけに過ぎない、見ることと観察することは違うのだよ」みたいな台詞がありました
名言集には載ってなかったりしますけどね
ということで、Bパートはまだ時間がかかりそうです!
お楽しみに!