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鳥獣戯詩  作者: 妻戸裕次


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第7話「イタチ一匹、世界を走る」**

イタチが出た

えっ! えっ! えっ!


この木なんの木 気になる木

それはヒタチや


成人式やね それはハタチや


イタチの伊太郎 ちょっと見なれば それは潮来(いたこ)や


大阪で初めてイタチが出たとこ 知ってるか?

立売堀(いたちぼり)やないか!(笑)


この間な 青信号で イタチが横断歩道渡っとってん

 (ホンマかいな!)


つぶらな瞳で ちょこちょこ渡っとった

(ホンマにホンマかいな!)


宇宙人みたいな顔してな

(どんなんや!!)


せやけどな 途中で止まりよって 右見て 左見て また右見て


前に進んだか思たら すぐ後ろ戻って また前 また後ろ


……なんやこれ 気ぃついたらな


それ イタチごっこや


ほな誰と誰が やっとんねん思たら


日本が一歩出たら 中国が一歩出る


中国が引いたら 日本も引く


言うたら言い返す 出したら出し返す


島がどうや 海がどうや


気ぃついたら 横断歩道の真ん中で


世界が イタチみたいに うろうろしとる


青信号やのに 誰も渡りきられへん


せやから最後に 言わしてもらうわ


もうな イタチに任せよ


あいつらの方が まだ ちゃんと周り見て 渡っとるわ

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