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その手にツルギがある限り!  作者: さんごく


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57/60

女性。

 元、チルドレンギャング団で、頭だったケイ・カインゼルを。後ろからナイフで切りつけた男、トム・ハックスは。今まさに人生で最高の気分だった。


 最初こそ『ケイ・カインゼルに深手を負わせた。ギャング団の時期頭の筆頭』と呼ばれた時もあったが。

 ほかの四人が連携して、トム・ハックスを【チルドレンギャング団の次期頭】として認めなかった事と。

『ケイ・カインゼルを後ろから切りつけた所を、複数の団員に目撃されていた』事実が。

「はたしてこの男性に、頭が務まるのか?」

 と言う『陰口』を消し去る事が、出来ずにいたため。

『五人による複数統領制』という。ハンス・ログ、レクター・ドルフ、チョッポ、キャリー・マスの四人による『妥協案』を飲み込む破目になったのだ。


 だが今はどうだ! この国の闇の王【魔王】エメクによって、いま自分達は正式にランダルファ王国の、【特殊部隊員】に任命されたのだ!

 その証拠として、我々、元チルドレンギャング団はいままさに。王国の【空中庭園】に軍服を着て立っていた!

 しかもその軍服も【特注品】であった。黒いズボンに白いシャツ、シャツの上に着るのは真紅の立派な上着だった!

 しかも我々の年齢も特別だった! 

 周りに居るのは、三十代~四十代になる中年の男性だけ。どんなに若くても二十代、それに比べて我々の年齢は。十代! これだけでもおれ達の【特別】ぶりが解かるというものだった。


 周りの音が遮蔽されている各テーブルでは、大小の集まりに関係なく。十代の場違いな派手な軍服を着た“子供達”の話をしていた。

「何なのだ? あの、場違いな子供達は⁉」

 立派なカイゼルひげを蓄えた、少し腹の出っ張った男性が鼻息も荒く、そうしゃべると。

その隣でワイン飲んでいた男性が、こう言った。

「ああ、彼らですか。彼らが“今回”集められた【特別任務兵】ですよ」

 そう言って背の高い男性は、煽る様にワイングラスを傾けた。

「ああ、では、彼らが今回の【自殺部隊】か」

 カイゼルひげを持つ男はそう言うと、自身もワイングラスを右手に持った。

「可哀そうに、まだ十代ですよ? 彼らは」

 そう言って哀れみのこもった視線を送った。

「では、君があの子供の代わりに【弓矢】や【攻撃魔法】の降りそそぐ中を『突撃』して来るのか?」

 口ひげのカタチが気に入らなかったらしく、ひげをいじりつつ。『今回の戦争で【英雄】になる定めの』子供達を見て、背の高い男性に意地の悪い質問をする。

「私にはまだ十代で、一人前に背の高さで迫って来る長男がいるんですよ? そこまでの馬鹿ではあれません。」

 背の高い男はそう言うと、とっくの昔に沈みきった太陽に視線をおくった。


 ミナ・シェリルが、かん高い金属音で目を覚ます。

「──此処は何処──?」

 虚ろな視線を首の動く範囲で巡らせる。

 突然自分の左側で、激しくぶつかる金属音が鳴り響いた!

 ミナ・シェリルは何故かチカラの入らない首をめぐらすと。目に入って来たソレはまさしく死闘だった。

 一手、二手、三手! いや。目で追えないフェイントを入れたら、その三倍以上の手数は有った【剣】と【魔法】そして、二人の【剣士】の戦いだった‼

「ケイ!」

 ミナ・シェリルは、思わずそう叫んだ。

「師匠! 動けますか⁉」

 ケイ・カインゼルが早口でそう尋ねた。

『しまった‼』

 ミナ・シェリルは激しく後悔した!

 今二人だけで死闘をしている真っ最中に、私は何と迂闊な事を!

 このままではケイ少年は、首を叩き切られて──。

 ミナ・シェリルは、思わず目を閉じる。

「待っていてください、いま拘束具を解きます!」

 ケイ少年はそう言うと、革製の拘束具をナイフで切って行く。

『あの【道化師】は、何故この絶好の状況を利用しない?』

 ミナ・シェリルがおそるおそる目を開く。

 銅製のパイプとケーブルの丘から、【道化師】は走り降りて行く!

「ミーシャ、フェミール! 隠れろぉぉ‼」

【道化師】が叫びながら、ひとりの女性に走り寄る。


「伏せろ! 母さん‼」

 ケイ・カインゼルがそう叫ぶと、【鉄製】のベッドからミナ・シェリルを引き剥がすと。小さな体で覆いかぶさった!



エート、もうすぐこのお話しも終わります。

どういうオチかも決まっております。が。

後何話でそこにたどり着くかが解かりません。

それぞれのキャラクターが、勝手に動くのです!

次回で終わり、という事は有りませんが。

では、あと何話? と、聞かれると困ってしまうのです!

それではまた、次回。

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