二歳違いの──。
カインゼル達とチルドレンギャング団との戦いが始まった。
チルドレンギャング団は、ショートボウを。カインゼル達は小さなライトクロスボウを、主力武器として使っていた。
実のところ、カインゼル達が使っているライトクロスボウと。チルドレンギャング団が使っているショートボウには、弓の部分に違いは無い。
いや、それどころか機械仕掛けの多いライトクロスボウの方が、一度に打てる弓矢の数では劣る。
ソレはケイ・カインゼルが指摘する前から分かっていた。
では、何故カインゼル達はその欠陥を敢えて無視して、ライトクロスボウを主力武器として選んだのか?
それは弓と言う武器の打ち方が関わっていた。
ショートボウでさえ、打つ時の体の体勢は地面に対して。垂直に持たなければならない。
これは世界中の弓の持ち方の、当たり前の事であった。
対して、クロスボウは。その打ち方が他の弓と比較して自由度があった。
極端な話、弓を台に固定してしまえば。走りながらでも打てた!
さらに言えばクロスボウと言う武器は、矢を台に固定してしまえば。後は狙って打てば良いと言う簡単な差が決定的になった。
ヘビークロスボウは、カインゼル達の年齢的バラツキの為に使えない。
ならば、弓の弦を引っ張る為に一回立ち上がる。と言う行為をしなければ成らないが、それ以外は他の射撃武器と比べて。圧倒的に自由度の高い打ち方の出来る、ライトクロスボウが良いと判断されたのだった。
ケイ・カインゼルは少し悩んだが、いくらカインゼル達の中で、一番齢を取っているとは言え。今さら『口出し』など出来る訳も無く。
「命を大切にしろよ」
とだけ言った。
こうしてライトクロスボウと、ショートボウの矢が飛び回る戦場が。広いとは言え一室の中に出来上がった。
そしてそこでは、ケイ・カインゼルが口に出さなかった事態が起こっていた。
両陣営に【大量のケガ人】が出ていたのだった。
「…思った通りだな…」
ケイ・カインゼルがそう言うと六十七歳のヤビー・コルボが叫んだ!
「こうなる事を知って居たのか⁉」
ケイ・カインゼルは革靴よりは柔らかいが、食べ物としてはとっても固い干し肉を。ナイフで削ぎ切りながらこう言った。
「ショートボウだろうとライトクロスボウだろうと、元々は森の中で【小動物】を狩る為の道具だ。部屋の中で使うモノじゃ無い」
ヤビー・コルボが口をパクパクさせながら、少年にしか見えないオッサンに。何か言ってやろうとするが、先に動いたのはケイ・カインゼルだった。
「さぁて、それじゃあ始めますか!」
そう言ってケイ・カインゼルは、自分のほおをパァンと叩いた。
「──何を始める気じゃ? ケイ⁉」
場合によっては、ワインの瓶で殴ってでも止める気でいるヤビー・コルボに、ケイ・カインゼルはこう言った。
「決まっているじゃないか、年齢が二歳しか違わない『実の母親』を、助けるのさ!」
なんだかんだで、3本目です。
色々とありますが、これからも長く書けると良いですね。
では、次回お楽しみに。




