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その手にツルギがある限り!  作者: さんごく


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とりひき。

 反射的にブロードソードを引き抜いたラハス・バレンツは、【魔王】エメクの頭をたたき割ろうとチカラを込めて振り下ろした。

 百八十セチ・メール(約百八十センチメートル)の長身から繰り出される一撃は、【魔王】エメクの頭を粉砕するのには十分だった。だがそれは、命中さえすればと言う前提での話だった。

 ラハス・バレンツが振り下ろしたブロードソードは、【魔王】エメクの頭に触れる十セチ・メール上で【魔力の盾】で防がれてしまう。


「やれやれ、スファ―ク国の【勇者】はせっかちでいかん」

【魔王】エメク・カインゼルはそう言って、目深く被ったローブの隙間から【勇者】を見る。

「うん?」

 エメクはローブで覆った顔に、疑問符を貼り付けて。『視界』に囚われずに自分の回りを調べ出す。

【女魔術師】がいつの間にか居なくなっていた。

「後ろか‼」

【魔王】エメクがそう言うと【女魔術師】が、【魔法発動】の最後の一節を口に出して唱えた!

【電流は【魔王】エメクを立ち木の様に黒焦げにする!】


 ミーシャ・クロノスは、この【呪文】で【魔王】エメクが倒れるのを確信した! 

 肉が焦げる臭いまで感じ取ったのだ! 此処まで想像させてくれる【魔法発動】は、数ヶ月に一回在るかどうか分からない‼ 

「ギャアアアア!」

 電流に焼かれる【男の悲鳴】が部屋に響き渡る。

「そんな! どうして⁉」

 ミーシャ・クロノスは愕然とした。

「あれ程のイメージをともなった【魔法】が何故外れる⁉」

 確かに男は稲妻が直撃したかの様に──、いや。確かに【魔法の稲妻】は一人の男を直撃した! だが、その【魔法の稲妻】が命中したのは【魔王】エメクでは無く。全身黒で統一された服の青年、レクター・ドルフに置き換わっていた!

「今の【魔法】には驚かされたぞ【女魔術師】よ」

 ミーシャ・クロノスが慌てて振り返るのと、【魔王】エメクが【拘束】の【呪文】を唱えたのはほぼ一緒だった。


「何故殺さない?」

【拘束の魔法】は【勇者】ラハス・バレンツも纏めて縛りあげた。

「なに、ただの気まぐれだ。気にするな」

 そう言って床に転がるラハス・バレンツを見下ろして。【魔王】エメクは回りを見わたす。

「なかなか盛大に暴れてくれたものだな」

 そう皮肉たっぷりにエメク・カインゼルは、【勇者】ラハス・バレンツに対して言う。

「迷惑だったか?」

【魔法のロープ】で締め付けられているため、若干苦しそうに返答するスファ―ク国の【勇者】を見て。【魔王】エメクは数十秒ほど思考すると、エメク・カインゼルはおもむろにこう言った。

「あそこで黒焦げになって居るのはお前達の仲間か?」

 ラハス・バレンツはフェミール・アインの亡骸を見てこう言った。

「そうだ、わたしの心の拠り所だった。それがどうした」

【魔王】エメクを今にも噛みつかんとした口調で、ラハス・バレンツがそう言うと。【魔王】は少し考えてラハス・バレンツにこう言って来た。

「死んだアノ女の『形見』を持っているか?」


「出来ればアノ女の体の一部。爪や髪の毛などならばさらにいい」

 それを聞いたラハス・バレンツは、怪訝そうな顔でこう言った。

「形見としてフェミール・アインの、彼女の【髪の毛】をペンダントに入れたが。それがどうした?」

 ラハス・バレンツの言葉を聞いて、【魔王】エメクはこう言って来た。

「髪の毛か、それはちょうどいい」

【魔王】エメクはそう言うと、床に転がっているスファ―ク国の【勇者】に近づくと。片ひざを付いてラハス・バレンツの肩を叩いてこう言った。

「どうだ? お前が望むならその女にもう一度会わせてやる!」

「! なんだと‼」

 ラハス・バレンツが驚きながらそう言った!

「もちろんただでは無い、私の願いを叶えてくれたらの話だ」

【魔王】エメクはそう言うと、フードの中の両目を光らせてこう言った。

「ケイ・カインゼルを傷付けずに私の元へ連れて来てほしい。どうだ? 簡単な事であろう?」

【魔王】エメクはそう言うと、クツクツと笑った。


やあっと書けましたぁ!

長かったなぁぁぁ。

さて、この後どうするべきか。

うっすらと、エンディングも見えております、が。

あと、どの位書けば辿り着くかが、解かりません。

それでは皆さん、次回お楽しみに。

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