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その手にツルギがある限り!  作者: さんごく


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33/48

勇者対魔法戦士。

 ラハス・バレンツの前に立った青銅製のプレートアーマーを身に着けた【戦士】が、両腕で持っていたバトルアックスを構え直して突っ込んで来る。

「ほう? わたしと正面から殺し合おうと言うのか。気に入ったぞ!」

 ラハス・バレンツの笑みに、凶悪な『何か』がともる。

 百七十五セチ・メール(約百七十五センチメートル)の身体に、青銅製のプレートアーマーを身に付けた【男性の戦士】が。金属音を立ててラハス・バレンツに挑みかかる。

「ミーシャとフェミール! わたしから離れて【魔法】援護をしてくれ‼」

 そう言ったラハスを残して、ミーシャ・クロノスとフェミール・アインは後方へ退が。フェミール・アインはこう聞かずにはいられなかった。

「相手は一人、でも。本当に勝てる⁉」

 何処か不安そうにそう聞いたフェミール・アインの頭を、ラハス・バレンツは左手で一回乱暴に撫でると。ラハス・バレンツはこう言った。

「さあな、相手の力量が解からん。だから確証できんが頑張って見せるさ!」

 フェミール・アインは小さく『うん』と言うと、相棒のミーシャ・クロノスのもとへ走る。


「フェミール・アイン、何故あのような事を聞いたの?」

 ミーシャ・クロノスの声には、怒りの感情がこもっていた。

「──ごめん……」

 フェミール・アインの声には、何処か弱々しいモノがこもっている。

「だったら何故あんな発言をしたの? あれではラハス様に『このお相手に負けてしまうかもしれない』っと言う誤った感情に、呑まれてしまい兼ねないじゃない!」

 ミーシャ・クロノスがそう言うと、フェミール・アインはこうつぶやいた。

「何となくこう視えたの、アノ。バトルアックスを構えた姿が、──恐ろしく…。まるでとんでもない【怪物の一部】のように…」

 ミーシャ・クロノスが思わず、プレートアーマーの男を見る。

 青銅製のプレートアーマーは、頭と顔も覆っていて何も見えない。

「私には何も解からないわよ」

 ミーシャ・クロノスはそう言うと、フェミール・アインもこう言った。

「そうよね。お、可笑しいよね。でも、バトルアックスを構えた瞬間、背中がゾクッとしたの『あれを敵に回すと恐ろしい事が起こるぞって』そう思ったの」

 ミーシャ・クロノスは改めて、全身をプレートアーマーで覆った【戦士】を見る。

 顔は覗き穴しかないため、相変わらず何を考えているのか解らない。──だが、アノ【戦士】がバトルアックスをかまえた瞬間から。【マナ】の濃度が若干薄くなった気がしないでも無い。

「とにかく今、私達の出来る事はアノ【戦士】の行動を妨害する事。あのヘルメットの中を確かめるのは、殺した後でも出来るわ!」


「そうね。じゃあ私が、先に殺させてもらうわ!」

 そう言って立ちあがるとフェミール・アインは【呪文】を唱える!

「【この【炎の矢】は、三十メール(約三十メートル)にいる青銅製のプレートアーマーを装着した者を、間違いなく殺す】行けー‼」

 フェミール・アインの唱えた【呪文】は、一切の迷いも無くバトルアックスを構えた敵の胸元に飛んで行く!

「【……──……】」

 フェミール・アインの造り出した【炎の矢】は、間違いなく青銅製のプレートアーマーの胸元に突き刺さるハズだった。だが、それは【戦士】…いや【魔法戦士】の【魔術】で、防がれてしまう!

「ウッソー【オド】を普通の【炎の矢】の三倍、消費したのに防がれてしまう何て」

 フェミール・アインは軽い【オド】不足で、へたり込んでしまう。

「そんなところで、座り込むなぁ!【魔法の盾】」

 ミーシャ・クロノスの張った【魔法の盾】で、【魔法戦士】の放った【氷の槍】を目の前で見たフェミール・アインは。

 悲鳴を上げながらうずくまる‼


『どうかしたのか? フェミール・アインは⁇』

 ラハス・バレンツはそう思いつつ【魔法戦士】に向かって走り出す。

「──……」

【魔法】を使う女性二人に。『脅威』を感じた【魔法戦士】が、ミーシャ・クロノスとフェミール・アインを、真っ先に殺そうとした時。ラハス・バレンツが、青銅製のプレートアーマーを装着する【魔法戦士】の目の前に突然現れたラハス・バレンツが胸の装甲部分に突きを受ける!

「ここから先へは行かせはしないぞ【魔法戦士】殿!」

「…──!」

 ラハス・バレンツは不思議に思う、【魔法】が使えるのなら当然『読み書き』は出来るはず。ではどうしてこの男は『喋らないのか?』

「──まあそれは後でいい、今はこいつを倒さないと先に進め無い」

 ラハス・バレンツは口に出してそう言うと、愛用のブロードソードに【魔力】つまり【オド】を起こり込む。

 ラハス・バレンツも【魔法戦士】のはしくれだけは有るので。魔力の使い方も【魔術師】や【聖職者】とは若干違う。

【魔法戦士】にも色々あるのだ。


 ラハス・バレンツの持つ【特殊能力:電流制御】によって。青銅製のブロードソードに、大量の【電流】が蓄えられる。

 敵の【魔法戦士】が両手で持った、バトルアックスを振り上げた。

【魔力】を込められたバトルアックスには、【どんなモノでも切断する】と言う【呪文】が込められていた。

「ゆくぞ‼」

 そう言ってラハス・バレンツは自分手に在る。ブロードソード突き出して【放電】させる。

「──…!」

【魔法戦士】がどこの国の言葉なのかも知らない、『言語』を使って【魔法】を組み立てる。

 そしてラハス・バレンツが威力を抑えて放った【放電魔法】を、あさっての方向へそらして見せた。


「やはり距離を取っての【放電】では、当たらないか」

 ラハス・バレンツは、そんな独り言をつぶやくと次の攻撃に移った。

 二歩前に進むとラハス・バレンツは、【呪文】を唱える。

【イナズマのヘビは、汝の体を締め上げる】

 次の瞬間、ブロードソードが輝くと【イナズマのヘビ】と見えなくはない【電流】が、ブロードソードから出て行くと。周りに【放電】しながら【敵魔法戦士】に向かって、暗い部屋を一瞬明るくて【魔法戦士】に向かうが、そのまま突然消滅する。

「! 何だと!」

 ラハス・バレンツは、目を凝らして相手の【魔法戦士】を見る。

【魔法戦士】のバトルアックスが、頭の上から足もとへ振り下ろされていた。

 触れる事も無くバトルアックスを振り下ろす。ただそれだけでラハス・バレンツの【魔法】を無かった事にする。

 ラハス・バレンツはつぶやく。

「【特殊能力:魔法消去】か、厄介だな!」

 相手の手品のトリックを、見破ったラハス・バレンツだったが。全然嬉しく無かった。

 何故ならこちらには、まったく恩恵が無かったからだ。

【魔法】を使えない【魔法戦士】など、何の意味があると言うのか!

「さて、どうするかだな!」

 ラハス・バレンツは、両手でブロードソードのグリップをにぎり直す。

【遠距離戦】が出来ないのであれば、【至近距離戦】しか残ってない。

「わたしは何処まで戦えるのかな?」

 何処か自虐的な笑みが、ラハス・バレンツの顔に浮かぶ。


一回、全て書き直しましたよ。

おかげで手首の痛いこと。

果たして次の回で終わるのか?

それではまた。

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