ミナ・シェリル対アースドラゴン。
ミナ・シェリルが雑多な動物の骨で埋まった、【アースドラゴン】の寝床を駆ける。
【アースドラゴン】は短くて太い後ろ脚と、長い尻尾で立ち上がると。その見た目は鈍重そうな大きな頭と目を動かしミナ・シェリルの後を視線で追い回す。
「こいつ、隙が無い! 何処を走ってもあいつの視線から逃れられない!」
そう、ミナ・シェリルが呟いた。
【アースドラゴン】はその名が示す通り動きが遅い。
短い脚、長い尻尾、そして亀の甲羅を彷彿とさせる頑丈な身体に。固い岩を砕くようにできている巨大な前脚。
特にその大きく発達した前脚は。一度ふり回し始めたら『接近戦』など、考えられないだろう!
その為にミナ・シェリルは、敢えて自分の『得意としない魔法』である。【身体強化】の魔術で相手の『一見不得意そうな』一撃離脱戦法で、戦おうとしてみたが。
【アースドラゴン】は小さいが良く見える目で、ミナ・シェリルを追い回す。
ミナ・シェリルは走りながら【炎の矢】を放つ。狙いは目!
今の彼女には弱点がそこしか見当ら無かったのだ。
放たれる二本の【炎の矢】その【魔法】は失敗する事無く【アースドラゴン】の小さな目に向かう。
だが。
発達した指と爪を持つ巨大な前脚が、【炎の矢】をあっさりと払いのけてしまう。
「此処だぁ‼」
ミナ・シェリルはそう叫ぶと、【アースドラゴン】が自分の目を守る為に、顔の前に上げた左腕の下を掻い潜ると。そのままシミターの『切っ先』を顎の下から脳天へ突き上げる!
【アースドラゴン】の弱点と呼べそうな場所が、『目』と『下顎』位しか考え付かなかったのだ。
『下顎からの脳天直接攻撃』いくら体全体が硬い【アースドラゴン】と言っても、此処ばかりは鍛えようがない。
「なるほど、よく考えたモノだ」
──ハズだった。
「そこに我の最も発達した『舌の筋肉』が在る事を除けば、我の死は免れなかったところだった!」
【アースドラゴン】の鼻から出てくる『人の声』は震えていた。
「本当に惜しかったな。人間のメスよ!」
「ちくしょう!」
ミナ・シェリルがそう悪態をつくと、【アースドラゴン】の下顎から『鋼』のシミターを引き抜いた。
「では次の攻撃は我のだな?」
そう言った【アースドラゴン】はその大きな口を開いて見せた。
「なに? あの魔法陣は⁉」
ミナ・シェリルが思わずそう言うと、【アースドラゴン】はその『鼻から出て来る』声でこう言った。
「お返しだ、受け取るがいい!」
そう言うと【アースドラゴン】の口の中に出来た【魔法陣】から。ミナ・シェリルに向かってムラサキ色をした『ガス』を吐き出す!
「! 毒⁉」
ミナ・シェリルがそう言うと、慌ててマントで口を覆う。
だが、残念ながらミナ・シェリルは【アースドラゴン】の吐き出した『ガス』を。少なからず吸い込んでしまっていた。
「──…あ、まずい、からだが…痺れて……」
視界がぼやけて来た、ミナ・シェリルが最後にそう言って倒れる。
「安心しろ、今使った毒は体が痺れるだけだ」
ミナ・シェリルは身体を抱きしめて、そんな声を聞いて意識を失う。
遅れてすみません。
チョットイロイロありまして。
まあそんな事はどうでもよいか。
読んでくださり、ありがとうございます。
では、次回に、お会いしましょう。




