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その手にツルギがある限り!  作者: さんごく


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ラハス・バレンツ:序章四。

 ペテルギスは困惑していた。この三匹の人間は今までの奴らとは違うと!

 彼は俗称で言えば【ドラゴン】と呼ばれる種族である。その為であろうか若干ほかの種族が住む場所で、戯れて遊ぶ事が好きだった。

 特に人間と自称する、生き物の住む場所で遊ぶのが好みだった。

 人間達の中にはペテルギスのように【火】を使う者達がいる。もっとも彼らが行う【火】の使い方はペテルギスからしたら、笑いが止まらないほど“稚拙”なモノだったが。

 ペテルギスの母親はこう言っていた『いい事、こちらが【火】を使う事を知った人間達は、必ずソレに抵抗しようとして来る。だから万が一の事を考えてそれ以外の【術】も使う事』そう言っていたが、正直に言って他の【術】では面白味が薄まるのだ。

 何故なら私ペテルギスは【火竜】だからだ!

 ほかの【術】では、はっきり言ってつまらないのだ!

 その為最近では【遊び】に使うのは【火】を主に使って来た。

 だからか人間達は、最近私の事を【炎のドラゴン】と呼んでいた。

 最近遊びに行った【人間達の巣】では、【火】ではなく【氷の呪文】で反撃された!

『このままではヤバイ』

 そう考えた私ペテルギスは、その【巣】を全て焼き払った!

 痕跡残さずにすべて。

 ──どうやらそれが行けなかったらしい。

『ペテルギスは【火竜】である事』がその完璧な証拠隠滅でばれてしまった。

「まぁそれはもうどうでもいい」

 ペテルギスはそう思った。私はもうすぐ三百歳、この母から分けてもらった土地ともお別れだ。

「【成竜】にはこの土地は狭すぎる、もっと食いごたえのある、獲物がいる場所を探さねばならない」

 そうしないと私はアノ食い意地のはった【母竜】に、かみ殺されてしまうかも知れなかった。

 新しい弟妹の栄養には成りたく無い。

 そんな事を思っていた時に、ペテルギスの住む洞窟に張られていたトラップが鳴った。

「侵入者だと?」

 ペテルギスは鼻で笑った。どうせ何処かの【冒険者】と呼ばれている【武装強盗団】が来たのだろう。

 そう思いながらペテルギスは、『此処での最後になる戦い』をするために。洞窟の外へ出て行った。


「何故ですか、ラハス・バレンツ様! あの様なあからさまに怪しいトラップに引っ掛かるなんて!」

 肩まである黒い髪を振り乱して、右目は緑、左目は黒のオッドアイでラハス・バレンツを睨んで叫ぶのは、【聖職者】ミーシャ・クロノスと言う女性だった。

「そうです。あの様な骸骨を何にも調べずに、持ち上げるなんてどうかしています」

 そう言ったのは、腰まで伸ばした赤い髪を持ち。真紅の瞳を持った【魔術師】フェミール・アインと言う名前の女性であった。

「あれがトラップなのは解かって居たよ」

 ラハス・バレンツはまったく気にもせずにそう言って、二人の美しい女性達に笑みを送った。

「──だったら、本当に何故ですか?」

 フェミール・アインは、赤い瞳を向けてラハス・バレンツを見る。

「我々に欠けているのは、トラップを見つけて解除してもらう【偵察者】だ。何だったら【盗賊】でもいい、おそらくこの中はもっと凶悪なトラップがあるだろう。その様な場所で戦うのはこちらの不利と考えて、相手の方から出て来てもらう為に引っ掛かってみた」

 ミーシャ・クロノスとフェミール・アインの二人は、少し考えてからこう言って来た。

「相手はドラゴンですよ? 負ける覚悟も出来ているのですか?」

「我々が負ける? そうだなぁ、その時はたった三人で。【ドラゴン退治】に行かせた奴らが悪いのさ。だがわたし達が負けるとは、君達の冗談のセンスは中々素晴らしいではないか」

 そう言ってラハス・バレンツは笑った。

「! 出て来ました【ファイアードラゴン】ペテルギスです‼」

 そう言ってランタンで回りを照らしていた、ミーシャ・クロノスが叫んだ!

「そうだね、それではファイアードラゴンに驚く【冒険者】のふりをして、洞窟から出て来て貰おうか」


 ペテルギスは笑った、何だ? あの滑稽な人間達は! どうやらここが私の住み家だとは知らなかったらしく。大声を上げて逃げて行くではないか! だが生かしては返さない、こいつらはこの場で死んでもらう。

 彼は普段、畳んでいるツバサを広げると。空へ飛び立って相手の前方に舞い降りた。


「ドラゴンとしてはまだ小さいな、これが噂で聞く【幼竜】かな?」

 ラハス・バレンツは小さな声でフェミール・アインに聞いた。

 ミーシャ・クロノスと一緒に、悲鳴を上げていたフェミール・アインは答える。

「いいえ、体長六メール(約六メートル)は有りますから。【幼竜】ではありません、──まだ幼いのは事実でしょうけれど」

「まぁいい、こいつを倒せば今回のミッションも終わりだ、二人共演技は此処までだ。戦いの挨拶をしてサッサと殺そう」

 ラハス・バレンツはそう言うと、怖気づいた【戦士】の演技を止めて。腰に下げたブロードソードを抜く。

 ミーシャとフェミールも泣き叫ぶのを止めて。ミーシャ・クロノスはメイスを、フェミール・アインは杖を構えた。


 ペテルギスは困惑していた。さっきまで、意味不明の叫びをあげていた三匹の人間が。今では鬼気迫るほどに恐ろしく感じられる。

 まるで今までは、演技でもしていたかのように。──演技? そうか、そう言う事だったのか! 私を引きずり出す為にそんな事をしたのか‼

 ペテルギスの両目に殺意が灯った。


ラハス・バレンツ:序章4でした、が。終わりませんでした。

と、言う事で。つづく、と書かせて貰います!

まさか、お話が短くなっても、続きを書かなければならないとは。

では、皆さんラハス・バレンツ:序章4.5でお会いしましょう。

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