表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パッピーチェンジ  作者: 猫の集会
4/7

デート

 もしかして、また太田君にきもいよって言

 われてしまうかもしれない…

 

 嫌だな…

 

 それからしばらくしてみんな二次会に行こ

 うってなった。

 でも、次はカラオケがあるみたい。

 私、歌うの苦手だしパス。

 そして、会場をあとにしようとした時

 城田君を見かけた。

 

 城田君… 

 あの時のお礼言いたいな。

 でも、今更だよな…

 太田君みたいにきもいよって言われちゃっ

 たらな…

 そんな事を考えてたら、城田君をドスって

 押してきた太田君。

「じゃまだよ!どけ城田‼︎」

 乱暴に城田君を押してこちらに向かってく

 る太田君…

 

 え?

 来る…また言われる…

 きもいよって…

 

 そしたら、まさかの

「ゆりちゃ〜ん。二次会行かないのぉ?なん

 でよ〜、さみちいよ〜」

 って言ってきた太田君…

 相当酔ってる…

 しかもお酒くさっ。

 

 私は、さっき城田君を押しのけた事にちょ

 っとイラッとしていた。

 それに少しお酒が入っていたから思い切っ

 て言ってやった。

「城田君にぶつかってあらまりもしないわけ

 ?それにあんたキモいんだよ‼︎」

 ってね。

 すると太田君…

「城田君ごめんなさい…僕キモくてごめんな

 さい〜」

 って言ってその場に倒れ込んで眠りだした

 ⁈

 城田君と顔を見合わせてプッて笑った。

 

 太田君は、タクシーに乗せられて無事送り届けられたそうな。

 

 私は、その後城田君からお誘いを受けて二人で静かな所でお酒を飲み直した。

 でも、二杯目からはジュースにした。

 だって飲み過ぎて太田君みたいになりたく

 なかったし。

 

 

 そして、楽しい時間もあっという間に過ぎ

 て、駅まで送ってくれることになった。

 まさか、城田君と並んで歩くなんて思いも

 しなかったな。

 そんな事を考えながら歩いていたら城田君

「小夜川さん、学生の頃と比べてなんか強く

 なったね。なんか惚れ直したな〜」

 って言うじゃない。

「えっ?」

 今惚れ直したって…

 城田君の顔を見ると

 ヤベッ、うっかり言ってしまった。

 みたいな顔をしていた。

 

 

「きゃっ」

 思わず気が動転していたのとお酒のせいで

 つまずいてしまった。

「大丈夫?」

 とっさに支えてくれた城田君。

 思わず軽く抱きしめられたみたいになって

 しまった。

 

 恥ずかしい…

 しかも、私背が高いし重かったよな…

 城田君私よりおっきいけどでも、ほかの女

 性と比べたら私やっぱりおっきくて重いん

 だ…

 とっさに城田君から離れてごめんなさいっ

 て謝った。

 すると城田君もなんか抱きしめたみたいに

 なっちゃってごめんって謝って来た。

 

 

 恥ずかしい…

 でも、無言も変だよな…

 なんか話さなきゃ

 そう思ってたら城田君が

 

「あのさ、また今度二人で会わない?」

 って誘ってくれた。

 え〜、嬉しい。

 すかさず私は、

「うんっ。ぜひ」

 と、笑顔でお応えした。

 そして、連絡先を交換した。

 

 

 中学三年生の時封印した思いがまた私の心

 に湧き出してきた。

 

 城田君とデート。

 ドキドキ。

 

 同窓会の時にお借りした洋服とかを返しに

 いくついでに、またデートの当日あのお店に予約しちゃおっと!

 なんだかきれいになると勇気も湧いてくる。

 

 

 

 そしてデート当日。

 二回目のご来店

 

 今日は、髪を念入りにツヤツヤにしていた

 だいた。

 以前このお店に来た時、黒くて長い髪をほ

 めてもらって嬉しかったからこの髪を私の

 トレードマークにしようかと思う。

 

 黒いロングの髪を下ろして、白のシャツ。

 そして黒のパンツ。

 このままだと決めすぎだから、ゆるふわの

 トレンチコートを羽織るといいですって、

 アドバイスをいただいた。

 ここは、色々な洋服が揃ってるから自分が

 着せ替え人形になったみたいでワクワクし

 てしまう。

 

 お店のサラさんは、いつも明るくてニコニ

 コ。

 お店を出る時いつもいってらっしゃいって

 明るく送り出してくれる。

 そのいってらっしゃいが私の背中を押して

 くれている。

 

 

 待ち合わせ場所につくまでに何人の男性が

 こちらを振り向いただろう。

 もう、魔法をかけられている気分。

 

 

「あっ城田くーん」

 ついつい明るい声が出てしまう。

 不思議だ…

 この私がこんなにかわるなんて。

 しかも外見が変わったと同時に内側もだい

 ぶ変わったように思う。

 

 洋服を一人で決めたわけじゃないからなお

 さら自身が出るのかもしれない。

 

 お店でイメチェンする前は、前髪で顔を隠

 し、クロブチ眼鏡で猫背だった私…

 それが今は。

 

 今は、城田君の隣に私が…

 今日は水族館に二人で来たの。

 側から見たら、デートじゃない?

 キャ〜。

 こんな素敵な人が彼氏ならもう最高。

 それに相変わらず優しい。

 中学の時と全然変わらないな。

 

 

 どんどん好きがよみがえる…

 中三の時の気持ち…

 

 一日一緒にいてすっかり彼女気分!

 そして帰り道二人で駅に向かって歩いてい

 たんだけど。

「城田!」

 男性が城田君に話しかけた。

「おー、松本」

「なんだよ、可愛い子連れて彼女かよ?」

「違うよ。そんなんじゃないよ。」  

 城田君のその言葉にハッとした。

 

 そうだ…

 すっかりイメチェンして変われたけど、う

 かれているのは私だけ…

 城田君に彼女じゃないって全否定されて当

 然だよね。

 こんな私…

 

 魔法にかかったかのように浮かれてたけど

 すっかり魔法消えてしまったかのようにお

 ちこんだ…

 

「ごめんね。さっきの同僚なんだ。」

 城田君が言った。

「うん。」

 私は、うなずいた。

 他に何も返す言葉もない。

 

 すっかり暗くなった夜道を二人で歩く。

 すると城田君

「さっきは、同僚がごめんね。いきなり彼女

 だなんてさ。こんなかわいい子が俺の彼女

 になんて間違えられたら迷惑だよね」

 なんていいながら頭をかいた。

 私は、とっさに

「ううん、私こそ。こんな素敵な城田君の彼

 女に間違えられるなんておこがましいよ」

 と答えた。

 

 

 城田君は、立ち止まって何かを決心した顔

 をして私に

「好きです。僕とお付き合いしてくれません

 か!」

 と、告白をしてくれた。

 さっき同僚に話していたのは、私が否定さ

 れたわけじゃなかったんだ。

 よかった。

 私は、なんの迷いもなく

「私も好きです。よろしくお願いします」

 とお返事した。

 

「ありがとう。じゃあ、これからよろしく」

 そう言いながら城田君が私の髪を撫でた。

 

 

 付き合って数ヶ月が経つけどよく城田君は、

 私の髪をなでる。

 サラサラでずっと触れたかったってこの間

 カミングアウトしてくれた。

 今、とっても幸せです。

 

 あのお店には、たまにデート前利用させて

 いただいている。

 

 続く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] いいなあ 好きな人から髪撫でられるなんて 幸せがじんわりと染みてきそう(*^_^*)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ