俺「宝くじ当たった」
12作目です
俺「やったー、宝くじが当たったぞ。これで明日から俺は億万長者だ」
俺「これを銀行に行って換金してもらおう」
~外出中~
俺「ふふ、明日から何しよう。とりあえず今住んでいるボロアパートとはおさらばだ。変えなかったゲームソフトも全部買っちゃおう」
通行人「こいつ1等の宝くじ持ってるぞ」(幻聴)
俺「な」
通行人「え、何ですか」
俺「いえ、何でもありません」
俺(なんだ気のせいか)
通行人「こいつから宝くじ奪ってやろうぜ」(幻聴)
俺「まただ。まさかこいつら全員俺の宝くじを狙っているのか」(気のせい)
俺「でも、当然か、この一枚の宝くじで人生が180度変わるからなあ。だったら俺も全力でこの宝くじを守ってやる」
それから俺は全力で宝くじを守った。なるべく人通りの少ない道を選び、宝くじを肌身離さず持ち、途中トイレに行きたくなったが我慢した。
~銀行~
俺「やった、とうとうたどり着いた、もう肛門が限界だ」
俺「すみません」
カウンターの女性「申し訳ございません、お客様。整理番号を取って番号が呼ばれたらお越しください」
俺「あ、はい」(急いでいるから早く順番来てくれ)
番号の待ち時間は異様に長く感じられた。
カウンターの女性「お待たせしました。お客様ご用件は何でしょう」
俺「宝くじが当たったので換金してほしいのですが」
カウンターの女性「分かりました。宝くじはお持ちですか」
俺「はい」
カウンターの女性「確認してまいります」
俺(よっしゃー!ついに俺は億万長者だ)
カウンターの女性「すみませんお客様この宝くじは当たっていませんが」
俺「なんだぞ、しっかり見ろ当たっているじゃないか。証拠の番号当選の記事も持っていているぞ」
カウンターの女性「あの、この当選番号はお客様の宝くじとは異なる宝くじですが」
俺「え、そんな馬鹿な」
~確認中~
俺「本当だ。じゃこの宝くじの当選番号は」
~確認中~
俺「はずれだ」
カウンターの女性「…」
俺「帰り…」
ギュ…(腹の音)
俺「トイレに行ってから帰ります」
カウンターの女性「トイレはあちらです」
(終わり)