領主息子1
私は父の納める領地の隣を調査にやってきた。
「私の名はファルマーニュ・マッカ・クロンホルル。今日この領土にきたんだ。君はなんていうのかな?」
「ボク? エリ・スリトールだけど」
「君も家名持ちなんだね」
「あんたも貴族? ここらでは平民のフリをおすすめするよ……じゃあね」
そっけないボウヤだったが、家名があるのは貴族だからパーティーできっとまた会うことになるだろう。
平民のフリをしたほうがいいというのは、貴族から金品を奪う等で治安が悪いのだろうか?
「旅行者かい?」
「ええ、まあそんなところです。おすすめのスポットはありますか?」
「特になんもないが、冒険者育成学校はあるよ」
□
「今日はこれでおしまい」
「ありがとうございました!」
俺は冒険者養成学校に成人年齢の5歳から通ってもう5年になるが、未だに卒業の見込みがない。
「ファイバリッド、君5歳でこの学校に入ったんだって?」
「うん」
「飛び級?」
「いいや、遅級だよ」
「ちょっと何言ってるかわかんない」
「僕の星では1年が555日あるんだけど、平均寿命が555歳」
「なんでそこまで5にこだわるん?」
「なあなあ! 旅行者がきたって!」
「こんな何もないとこに!?」




