表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
春夏  作者: 塩きみどり
9/50

「せいぜい頑張れよ」という部長の呑気な声に見送られて、新聞部部室を後にする。人気のない廊下を七不思議について思いを巡らせながら10歩程歩いたとき、桃香は重大なミスに気が付いた。七不思議の内容について聞き忘れていたのである。入部試験であるうえに、あの部長が教えてくれるとは思えなかったが、急いで部室へと引き返す。血糊の扉を叩き、「すみません」と声をかけた。相変わらず、返事はなく、桃香は再び勝手に扉を開けた。

 中には誰もいなかった。この部屋を出てからそれほど時間は経っていないはずなのに。近くにいたのだから、部屋を出たのなら、扉が開閉する音が聞こえてもおかしくないはずだ。どこかに隠れているのでは?と思い、少し探してみたが、見つからなかった。

夕方のオレンジの日差しが部屋に差し込む。

白い清潔感のあるレースのカーテンがさらさらと揺れる。運動部だろうか、元気の良い掛け声が聞こえてくる。窓が空いているようだ。1階に部室があるため、ここから部屋を出ることは可能だ。部長はここから外へ行ったのかもしれない。

真相が何であれ、七不思議の1つはこれで良いのではないだろうか、と思った。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ