妹だと思ったら 知らない鎌女だった件
誰かが呼んでいる
なんだろう 聞いたことのある声だ
懐かしいような けれどなんだろう
この気持ちは …
哀愁だろうか? 何に? よくわからない
何かを悔やんでいるようにも思えた
だが思い出せない
目を開こうとしても 身体を動かそうと力を入れても 微動にしない。
機能する事を嫌がっているのか?
それは違う 今すぐにでも目を開いて その子を抱きしめたかった
その子? ということは 女? 子供?
自問自答を繰り返していく
段々 暗くなっていくのがわかる
まるで 深海へと引きずり込まれていくかのように 自分の身体が重くなって沈んでいくように
完全な
漆黒に染まった 視界は暗黒 ただし 手は動く
足も動く 気づけば目は開けられていた
瞬きが出来ていた ということは
目をつむっているから だと思っていたこの漆黒は 実際に存在しているものらしい。
眼前に広がるは 黒一色
だが、中心 おおよそ2メートル程先だろうか
そのくらいの距離に 周りの黒より明らかに暗黒というに相応しい黒色が姿を現していた
それは揺れ動いているが しっかりとシルエットは 確認できた 人。
そう人の姿だった 黒い煙を纏ったようなその人型は 揺れながらこちらへ来ている
シト シト シト シト シト
不気味なようなそうでないような 謎の不安感とともにその音は 聴覚を刺激する
足音のようにも聞こえるが 舌打ちにも聞こえなくもない
シトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシト
それは近づいてくる なにか やばいのではないだろうか 音が大きくなるなるに連れ危機が迫っている事を知る
シトッ 一瞬、冷たい何かが みぞおちに
入ったかと思いきや 電撃が 走る
そして 熱さが みぞおちを 襲った
うぐっ、、
たまらずうめき声をあげる
手を当てると 液体のような暖かいものが流れ出しているのを感じた この感じは、、
そして独特な臭いと 身体から段々何かが出て行く 気配… 腹部に激痛が走る… やばい
これは …
血…か、、 ぅ、、ゔぅ。
黒い影 動いた それと同時に閃光が 首元に
刺さり …
起きろ! あほ!
耳障りな声が 響く
『うるせえよ! 〜ったく もう少し寝させろ!』
俺はその声の主に 半ギレ状態で怒鳴った
おそらく妹だろう 。 朝は いつも勝手に部屋に浸入し叩き起こしに来る 絶対にそうに違い
目を開ける 寝起きには眩しすぎる 明かりが
視界を遮る
『うっ眩しい カーテン閉めとけよ』
『は? 何寝ぼけとんじゃ ドアホ!』
あれ? おかしい 明らかに妹の声のトーンとは違う女の声が聞こえた おまけに口の悪さ妹を超えていた
ピントを合わせようと 目を細める
目の前に居たのは 黒い髪なびかせ 大きな鎌をいじる 少女だった
『はあ? え? あ、おはよう ニガミ』
俺は同様した 何故そこに知らないというより不審な少女がいるのかということ そして知らない部屋で 自分が眠っていたということ、
そして 知らないはずの少女の名前を 俺が知っていて それを今 普通に呼んだということ。
『おはようさん ナガト 何寝ぼけてんだいあほ』
少女は普通に返答し 俺の名を呼んだ
しかし、 少し不思議な感覚だった
ナガト… 自分の名のはずなのに あまり親近感が湧かないのは何故だろう…
というよりどうしてこの少女は 俺を知っているのだろう…
よくわからないが眠くなって また俺は布団に横になった…